バイクブロス×マガジンズ編集部 ムラヤマ=文
2輪レース界で最も有名な人物、それは間違いなく「バレンティーノ・ロッシ」だ。これまで9回の世界チャンピオンに輝き、最高峰クラスでは4年連続で王者として君臨。通算優勝回数は103回と、GP史上歴代2位という偉大な記録を達成した、まさに“生ける伝説”と言えるライダーだ。そんな絶対王者ロッシに衝撃的なトラブルがあったことは多くの方がご存知だろう。
V.ロッシ、骨折でホームレースキャンセル
http://www.motogp.com/ja/news/2010/rossi+under+knife+this+saturday
6月5日に行われたイタリアGPのフリー走行中、ハイサイドで路面に激しく叩きつけられたロッシは、右脛開放骨折と言う重傷を負いレースをキャンセル。その後の手術は上手くいったものの現時点で復帰の目処は立っていない。もし2010年シーズンに復帰できたとしても、チャンピオン争いからの脱落は避けられない状況だ。欠場となってしまったイタリアGPでは観客から「ヴァレ」コールが巻き起こっただけでなく、ライバルチームであるドゥカティの応援席で「VALE」の人文字が作られるなど、ロッシの存在の大きさを改めて感じた方も多かったはず。王者の不在は寂しさを感じさせるが、手術後のコメントによると本人も復帰を急いでおらず、これを機に以前から痛めていた肩の治療も行うとのこと。ロッシの復活については、ひとまず静観する必要があるだろう。
V.ロッシへ感動的なメッセージ
http://www.motogp.com/ja/news/2010/rossi+fans+tribute+0
2010年シーズンのMotoGPでは、チームメイトであるロレンソをはじめとする新進気鋭の若手が台頭してきてはいるものの、ロッシの存在は別格だった。今年も絶対王者ロッシVSその他ライダーという図式が展開されていたが、ロッシの負傷により状況は一変。チャンピオンシップの行方は予測不能の状態になりつつある。順調にポイントを重ねてきたロレンソがこのままリードするのか、それともホンダのエースとしての強さを見せ始めたペドロサが逆転するのか。ほぼ3位浮上が確実なドビツィオーソや復活の兆しを見せているヘイデンの動きからも目が離せない。シーズンはまだ序盤戦だが、ロッシが不在の間にポイントランキングがどのように動くのか予想は不可能だ。次戦は6月20日に決勝レースが開催されるイギリスGP。混迷を極めるシルバーストンサーキットで誰が勝利を掴むのか、是非あなた自身の目で確認して欲しい。
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