バイクブロス×マガジンズ編集部 ムラヤマ=文/写真
ここ最近、二輪業界には暗い話題が多い。その最たるものは平成17年より一気に増加した二輪駐車取締りだが、それ以外にもエコな乗り物でありながら社会から正しく認識されていない、道路の通行規制で差別的な扱いを受けることが多い、などということもあり、世界最大のバイク生産国でありながら二輪をとりまく環境はお寒いもの。そういった現状を打破するためにも、バイクを愛好する政治家の方々が活動をしていることはご存知だろうか。ここ最近発足したものでは「民主党二輪車ユーザーを支援する議員連盟」があるが、これまでずっとバイクユーザーのための法改正に挑んできた「自由民主党オートバイ議員連盟」も忘れてはならない存在だ。去る2010年2月22日行われた同連盟の会合では、バイクと社会のあり方への提言が熱心に議論されるとともに、駐車禁止の取り締まり数の具体数値など有用なデータが公開された。
自由民主党オートバイ議員連盟はこれまでも行われてきた二輪駐車場の拡充や過剰なアフターパーツ市場への締め付け防止などを議題にあげつつ、原状の二輪免許制の問題を指摘。数十年前に作られたままで運用されている制度の問題を警察庁関係者に問いただすほか、独自の二輪車法律上の区分整理案を出すなど、免許制度改革への意思を表した。懸念の駐車場問題では全国の取り締まり数推移の一覧を公表。バイクの環境を問わない苛烈な検挙が行われたことも明示され、官製不況という点にも指摘が及んだほか、関連する行政が適切に対応出来ていないのではないか、ということについても言及された。また、国内出荷100万台復帰と日本のリーディング産業としての地位確立を目指すために、目先の規制への対応だけでなくバイク問題を「国家戦略」の一つとするための提言が行われたことも興味深い。まだ具体案までは完成していないが、対処療法的な活動ではなく、国際規格との整合性や車検や免許など制度の問題、広くは教育について視野に入れた広汎な戦略を準備していくとのこと。前日にはバイク業界から政権党である民主党へ二輪環境の是正を希望する要望が陳情されており、両党のバイク愛好家議員による環境の改善に期待したいところだ。最後に、この記事の下に二輪駐車違反の取り締まり件数の一覧と、自由民主党オートバイ議員連盟が考える新しい法律上の二輪区分の資料を掲載しておくので、今後のバイクを取り巻く環境を考えるためにも、是非一度目を通してみて欲しい。