取材・写真・文=コイ(バイクブロス・マガジンズ編集部)
株式会社スズキ二輪 代表取締役社長
濱本 英信氏
次いで、開発、設計、デザイン部など開発陣から新型モデル2台の商品説明が行われた。まずは、50ccクラスからステップアップしたいライダーやこれから免許を取得する人に向け、快適で楽しさと利便性を併せ持つ1台として2017年9月29日(金)に発売されるアドレスシリーズの最新モデル「アドレス125」が紹介された。
開発コンセプトは「毎日の生活を支える、スタイリッシュスクーター」。搭載されている新開発の124cc空冷2バルブ単気筒SOHCエンジンは、スズキ独自の先進技術を結集した「優れた燃費性能」と「優れた加速性能」を両立したエンジンで、スムーズな発進と加速を実現しながらも経済性も確保。加えて、デイリーユースに便利なフロントインナーラック、シート解錠機能付きステアリングロックなどはもちろん、フルフェイスヘルメットを入れてもまだ余裕のあるシート下のトランクスペースなど、使い勝手の良い装備がふんだんに採用されている。また、車体設計課の成田氏が一番気を使ったというリアサスのセッティングでは、一人で乗っても硬くなく、二人乗りをしても底付きしない最良のバランスを求めたという。
左から、二輪車体設計部車体設計課・成田 洋氏、二輪デザイン部デザイン課・毛塚 康太氏、二輪カーライン長・福留 武志氏、二輪カーラインアシスタントチーフエンジニア・岡村 港氏。
続いてGSX-Sシリーズのエントリーモデルとして同年10月11日(水)に発売される原付二種スポーツバイクである「GSX-S125」が紹介された。
スズキの125ccバイクで初となるABSを標準装備していることも大きなトピックだが、開発コンセプトは「高性能のエンジン」「軽量・コンパクト」「高い操縦安定性」「エキサイティングでアグレッシブなデザイン」の4つ。
そのコンセプトのままに、133kgと軽量でコンパクトな車体にスーパースポーツバイクのGSX-Rシリーズの技術を惜しみなく投入したハイパフォーマンスエンジンを搭載し、力強い加速を生み出すという。二輪カーラインアシスタントチーフエンジニアの岡村氏は「街乗りからワインディングまでバイクを操る楽しみを感じられる扱いやすさとともに、胸のすくような高回転域の爽快感を楽しんでほしい」と語った。
また、「まるで下から睨みつけるような」とデザイン部の毛塚氏によって表現されたタテ型2灯式のヘッドライトは、切れ長のポジションランプとあいまって特徴的なフロントフェイスを作り上げている。車体の重心をより低く前へ、と造形のコントラストを強めた前下がりのシルエットをより印象づけるデザインだ。
今回スズキから投入された新型モデル2台。どちらも「エントリーライダーからベテランライダーまで、幅広い層に豊かなバイクライフを送ってほしい」という想いが溢れたスズキらしいデザイン表現と真摯な姿勢が表れている。開発陣の「滲み出るスズキオーラを感じてください」という言葉が印象的な発表会だった。
パールグレイスフルホワイト
■エンジン・車体
・新開発の124cm3空冷2バルブ単気筒SOHCエンジン。燃焼室形状の最適化と曲線形状の吸気ポートの組み合わせにより燃焼効率の向上を図った。フリクション低減などにより、スムーズな加速性能(最高出力6.9kW/7,000rpm、最大トルク10N・m/6,000rpm)と52.0km/L※1の優れた燃費性能を実現。
・広々としたフラットな足元スペースを確保することで、快適なライディングポジションを実現。
・左右の足元付近を絞り込んだカットフロアボードによる良好な足つき性。12インチの大径フロントホイールによる高い安定性。
※1 国土交通省届出値:定地燃費値(60km/h)2名乗車時。定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
パールグレイスフルホワイト
キャンディパトリシアンレッド
パールノベルティブラック
■装備
・ヘルメット等の収納に便利なシート下トランクスペース。※2
・フロントインナーラックは、600mlのペットボトルを左右1本ずつ収納可能。※3
・大型のストッパー付かばんホルダーをハンドル下に装備。※4
・シート開錠機能付ステアリングロックには、鍵穴をカバーすることができるシャッターキーを採用。 センタースタンドに加え、駐輪時に便利なサイドスタンドも標準装備。※2
※2 形状、大きさによりシート下トランクスペースに収納できないヘルメットもあります。最大積載許容重量10kg。
※3 形状によりフロントインナーラックに収納できないペットボトルもあります。最大積載許容重量1.5kg。
※4 最大積載許容重量1.5kg(左右合計)。
■デザイン
・快適性とデザイン性を両立した、伸びやかさに新規性を取り入れたデザイン。
1)ハンドルを切った方向を常に照らすことができる、ハンドルマウントのヘッドランプ
2)切れ長で個性的な、フロントレッグシールド内蔵のフロントウィンカー
3)スピード感を表現する、スポーティーなサイドラインと躍動的なシルエットのリヤビュー ・車体色は、白「パールグレイスフルホワイト」、赤「キャンディパトリシアンレッド」、黒「パールノベルティブラック」の3色を設定。
■メーカー希望小売価格/221,400円(税8%込み)
■年間目標販売台数/3,000台
■エンジン/4サイクル124cm3
■発売日/2017年9月29日
ソリッドブラック(半ツヤ)
■エンジン・車体
・124cm3水冷4バルブ単気筒DOHCエンジン。GSX‐Rシリーズの解析技術を用いた燃焼室の最適化や、吸気効率の向上、燃料噴射の最適化などにより、最高出力11kW/10,000rpm、最大トルク11N・m/8,000rpmの出力性能と48.2km/L※1の燃費性を実現。
・スムーズな出力伝達による力強い加速を実現する6速マニュアルトランスミッション。
・軽量・高剛性フレームと、GSX‐Rシリーズの技術を投入して設計した、コンパクトな車体レイアウト。ショートホイールベースと、133kgの軽量・スリムなボディーにより、街乗りにおける扱いやすさや、ワインディングにおける高い操縦性を実現。
・アップハンドルによる前傾の少ない快適なライディングポジションと、785mmの低いシート高による良好な足つき性を実現。
※1 国土交通省届出値:定地燃費値(60km/h)2名乗車時。定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
トリトンブルーメタリック
■装備
・前後輪にスポーティーな10本スポークの17インチ大径アルミ製キャストホイールと花弁形状のペータルブレーキディスクを装備。
・前・後輪に取り付けられたホイールスピードセンサーにより各車輪速度を検知し、ブレーキの効きを自動的にコントロールして車輪のロックを一定範囲内で防ぐABSを標準装備(スズキの国内の125cc二輪車に初採用)。※2
・長距離の走行に安心な大容量11Lの燃料タンク。
・フルデジタル表示の多機能メーター。
1)任意に設定したエンジン回転数に到達するとランプの点灯/点滅でシフトチェンジのタイミングを知らせるRPMインジケーター
2)一目でギヤポジションがわかるギヤポジションインジケーター
3)切替式のオドメーター/ツイントリップメーター
・鍵穴へのいたずらや盗難を抑止する、ワンアクション式シャッター付ステアリングロック。グローブをした状態や、夜間の鍵穴が見えにくい状況でも、シャッターを開ける際はキーマスコットを指定部に押し込み、閉める際はノブを操作するだけで開閉が可能。
・スタータースイッチを押し続けずにワンプッシュするだけで、スターターモーターを回転させてエンジンが始動する「スズキイージースタートシステム」を採用。また、ニュートラル時はクラッチレバーを握らなくても始動可能とした。
※2 ABSは制動距離を短くするためのシステムではありません。また、コーナリング中のブレーキングによる車輪の横滑りはコントロールすることができません。ABSを過信せずに安全運転を心がけてください。
■デザイン
・GSX‐Sシリーズ共通のイメージとなる低く構えたアグレッシブなスタイリング。
1)ラジエーターシュラウドと燃料タンクに一体感を持たせ、アンダーカウルを装備することで、コンパクトながらボリュームのあるデザインを実現
2)ハンドル位置を低くし、ヘッドライトを前に出した、シャープでスポーティーな印象の力強い顔つき
3)サイレンサーに2つの排気口を設けたスポーティーなデュアルタイプマフラー 車体色は、黒「ソリッドブラック(半ツヤ)」、青「トリトンブルーメタリック」の2色を設定。
■メーカー希望小売価格/354,240円(税8%込み)
■年間目標販売台数/240台
■エンジン/4サイクル124cm3
■発売日/2017年10月11日