【ドゥカティ】新型エンジンとレーダーシステムを採用「ムルティストラーダ V4」の全容を公開(動画あり)

掲載日: 2020年11月05日(木) 更新日: 2020年11月06日(金)
この記事は2020年11月5日当時の情報に基づいて制作されています。

2020年11月4日(水)、ドゥカティは「ムルティストラーダ V4」の全容を公開した。シリーズとしては第4世代となるこの車両には、6万キロというメンテナンスインターバルを誇る V4グランツーリスモ・エンジンが搭載されると共に、市販車では初となる前方用/後方用レーダー・システムが搭載されている。

ラインナップはスタンダードモデルの「ムルティストラーダ V4」、中間グレードの「ムルティストラーダ V4S」、アクラポヴィッチ製エグゾーストやカーボン製フロントフェンダーを装備する最上位グレード「ムルティストラーダ V4S スポーツ」の3タイプを用意。なお、同車両は2020年11月末に欧州での販売を開始するが、日本国内への導入など詳細については現在のところ情報はない。

ムルティストラーダ V4のオフィシャルサイトはこちら

ドゥカティ、新型ムルティストラーダ V4を発表:これまで以上に、あらゆる道を容易に制覇

・世界でもっとも人気のあるドゥカティ・ファミリーの1台であるムルティストラーダの第4世代が登場(※本リリースの内容はイタリア本国仕様であり日本仕様とは異なる場合があります)。
・ドゥカティならではのパフォーマンスとスポーティな走りに、比類なき快適性と多用途性を融合、あらゆるライディング・コンディションで優れた走破性を発揮。
・V4グランツーリスモ・エンジンを搭載したムルティストラーダV4は、記録的に長いメインテナンス・インターバルを備え、ナビゲーションシステムを統合し、前方用/後方用レーダー・システムを搭載した世界初のモーターサイクル。
クラウディオ・ドメニカーリが新型ムルティストラーダV4の詳細を説明するドゥカティ・ワールド・プレミア最初のエピソードは、Ducati.comと YouTube で閲覧可能。

2020年11月4日 ボルゴパニガーレ(イタリア、ボローニャ)

ドゥカティは、ドゥカティ・ワールド・プレミア・ウェブ・シリーズの最初のエピソードで、新型ムルティストラーダV4を世界に向けて発表しました。

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ムルティストラーダという名前には、あらゆる道を制するという野心的な目標が込められています。それは、優れた多用途性を提供する能力でもあります。スポーティでありながらも快適なこのモーターサイクルは、アスファルトやオフロードを含むあらゆる道のあらゆるコンディションで、安全かつ確実に走行することを目指して開発されました。

2003年に最初のモデルが発表されて以来、累計11万台以上のムルティストラーダが生産され、その多用途性を拡大してきました。初代ムルティストラーダは、優れたトルクを特徴とし、主にアスファルトでの走行に適したスポーツバイクでした。2010年に登場したモデルは、「4台のバイクを1台に」というコンセプトの下、ライディング・モードを備えた世界初のモーターサイクルとなりました。2015年には、可変バルブ・タイミング機構を初搭載したエンジンが発表され、スムーズなパワーデリバリーがさらに改善されました。

ムルティストラーダの第4世代は、さらに高性能なバイクに進化していますが、歴代モデルの扱いやすさは受け継がれています。このニューモデルは、より堅牢かつ軽量です。また、より多用途で快適ですが、あらゆるライディング・コンディションで理想的な走りを実現しています。言い換えれば、これまで以上に「マルチ・パーパスな」モーターサイクルになっています。つまり、過去最高のムルティストラーダに進化を遂げています。

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この多目的なモーターサイクルの「スポーツ」の側面に目を向けると、軽量かつコンパクト、170psの最高出力、MotoGP 由来のエレクトロニクス、最適化されたシャシによる、エキサイティングで俊敏な走りを特徴としています。「ツーリング」の面では、60,000km毎に設定されたメインテナンス・インターバル、開発段階からこだわった快適な乗り心地、レーダー・システム(前方用と後方用の両方を備えた世界初のモーターサイクル)、メーターパネルにナビゲーション画面を表示させる機能、コーナリング・ライトなどを特徴としています。

「エンデューロ」のキャラクターは、優れたオフロード性能、電子制御式サスペンション、スムーズなパワーデリバリー、最適化されたギア比に表れています。さらに、低速域での優れた取り回し性、スマートフォンとの接続機能、熟考された防熱対策など、「アーバン」キャラクターも備えています。これらすべての要素により、このニューモデルは、これまで以上に、あらゆる道を容易に制覇することができます。

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ムルティストラーダ V4は、「形状は機能に従う」というコンセプトの下に開発が進められ、堅実かつ堅牢でありながらも、洗練された美しさを備えています。ドゥカティのデザイナーは、フォルムと機能を完璧に融合させるために、ホイールベース間のボディワークのプロポーションとコンパクトさのバランスを取ることに焦点を当てました。この事実は、22リットルの燃料タンクを一体化し、筋肉質で美しいなラインを備えるボリューム感溢れるフロント・セクション、オフロードにおけるスタンディング・ポジションでの走行を最適化するスリムなリア・セクションを見れば、すぐにお分かりいただけると思います。エアロダイナミクスの研究は、ライダーに最大限の快適性を提供することを目的としていました。

このモーターサイクルの心臓部には、V4グランツーリスモ・エンジンが搭載されています。軽量(66.7 kg)かつコンパクトなこのエンジンは、圧倒的なパワーを発揮しながらも非常にスムーズで、低回転域では滑らかに作動し、中回転域では力強いトルクを発生、高回転域ではエキサイティングなキャラクターを特徴としています。排気量1,158ccの V4グランツーリスモ・エンジンの最高出力は170ps(125kW)@10,500rpm、最大トルクは125Nm(12.7kgm)@8,750rpmです。このエンジンを採用することで、メインテナンス・インターバルを大幅に延長することが可能になりました。ムルティストラーダ V4では、オイル交換は15,000km毎、バルブ・クリアランスの点検と調整は60,000km毎に設定されています。現在市販されているモーターサイクルで、これほど長いメインテナンス・インターバルを実現したエンジンは他にありません。

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ムルティストラーダ V4のエレクトロニクス・パッケージには、安全性、快適性、パフォーマンス、コネクティビティの面において、モーターサイクルの分野における最先端テクノロジーが投入されています。慣性プラットフォーム(IMU)は、コーナリングABS、ドゥカティ・ウィリー・コントロール(DWC)、ドゥカティ・トラクション・コントロール(DTC)(コーナリング・バージョン)の作動を管理します。ムルティストラーダ V4 Sには、コーナリング・ライト(DCL)に加え、ビークル・ホールド・コントロール(VHC)も標準装備されています。VHCにより、特に荷物を満載した状態での坂道発進が容易になります。さらに、ムルティストラーダ V4 Sの慣性プラットフォームは、オートレベリング機能を備えたセミアクティブ・ドゥカティ・スカイフック・サスペンション(DSS)コントロール・システムとも連携しています。

ムルティストラーダ V4により、ドゥカティはモーターサイクル・セグメントで最初の機能を発表しました。これは、アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)とブラインド・スポット検出(BSD)機能を備えた、革新的な前方用/後方用レーダー・システムです。レーダーは、ドゥカティがボッシュをはじめとする一流のテクノロジー・パートナーと密接に協力して開発した高度なアシスタンス・システムで、モーターサイクル周囲の交通状況を常に監視することにより、ライダーは、より安全かつ快適にライディングすることができます。

ムルティストラーダ V4は、アルミニウム製モノコック・フレーム、19インチのフロント・ホイール、スポーク・ホイールにも対応できる両持ち式スイングアームを備えています。ホイールベースは短めに設定され(1,567mm)、スポーティなフロント・エンド、大きなストロークを備えたサスペンション(フロント:170mm、リア:180mm)を装備し、最低地上高は220mm、乾燥重量は215kgとなっています。それにより、ムルティストラーダ V4は、他のすべてのドゥカティ・モーターサイクルと同様、直感的で、俊敏なコーナリングを実現すると同時に、オンロードとオフロードの両方で快適に走行することが可能です。

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高速道路を使用した快適な長距離走行を実現するために、ドゥカティのエンジニアは、自動車の世界で騒音、振動、ハーシュネス(NVH)と呼ばれるものに注目しました。これは、基本的に、運転中に車両が提供する快適さの基準となっています。

そのため、風洞実験室で詳細な研究を実施し、ライダーとパッセンジャーの両方に最高の防風効果を提供し、騒音を低減し、ライダーの足をエンジンの熱から守るための対策を施しました。その結果、美しいシルエットのフロント・スクリーンが生み出されました。このスクリーンは、指1本で簡単に高さを調整することが可能で、2つのサイド・デフレクターと組み合わされています。風洞実験室では、ハンドガードの形状から、全体的な防風効果まで、あらゆる側面が詳細に研究されています。同様に、エンジンは、穏やかでありながら豊かなドゥカティ独自のサウンドを奏でます。V4グランツーリスモ・エンジンは、アイドリング時にリア・バンクを休止する機能も装備しています。それにより、モーターサイクルが停止すると、リア・バンクの作動が休止し(シリンダー内の燃焼プロセスが停止して)、燃料消費量を削減しながらエンジンの温度を下げることで、ライダーとパッセンジャーの快適性を向上させます。

ムルティストラーダ V4には、多種多様なお客様のニーズを満たすために、さまざまなバリエーションが用意されています。標準の V4モデルのカラーはドゥカティ・レッドで、最高出力は170ps、重量は215kgです。

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Multistrada V4S/アビエイター・グレー

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Multistrada V4S /ドゥカティ・レッド

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Multistrada V4S Sport/専用カラー

ラインナップの中核モデルである V4 Sには、アビエイター・グレーと、ドゥカティ・レッドの2種類のカラーが用意されています。ドゥカティ・ムルティストラーダ V4 Sは、合金ホイールに加え、スポーク・ホイールも選択することができます。ドゥカティは、このモーターサイクルのために工場オプション装備として注文することができる新しいパッケージ(エッセンシャル、トラベル、レーダー、パフォーマンス、フル)を設定しました。ドゥカティ公式ウェブサイトのコンフィギュレーター・セクション(日本語セクションは後日オープン)では、すべての構成オプションを表示することが可能です。

3番目のバージョンは、ムルティストラーダ V4 S スポーツで、大胆な専用カラーリング、アクラポヴィッチ製エグゾースト、カーボンファイバー製フロント・フェンダーを備えたパフォーマンス・パッケージを標準で提供します。

新型ドゥカティ・ムルティストラーダ V4は、11月末からドゥカティ・ディーラーで販売されます(ヨーロッパ諸国のみ)。

リリース

ドゥカティジャパン株式会社(2020年11月5日発行)

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(バイクブロス・マガジンズ編集部)

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