リリース = ヤマハ発動機株式会社
ヤマハは9年ぶりにフルモデルチェンジをしたYZF-R6を、2017年3月から北米で発売すると発表した。そのシルエットからもわかるように、R1で培われた技術が注がれ、サーキットやワインディングでの走りが進化しているという。
高いスポーツ性能をさらに進化、600ccスーパースポーツ
2017年モデル「YZF-R6」を北米で発売
ヤマハ発動機株式会社は、排気量599cm3のスーパースポーツ「YZF-R6」を9年ぶりにモデルチェンジし、2017年3月から北米で発売します。従来からの特徴である≪優れたサーキットパフォーマンスと、ワインディングでの高次元パフォーマンス≫を引継ぎながら、走りの性能およびRシリーズとしてのデザイン進化を図りました。
新型「YZF-R6」は、1)ABS および加速時に後輪タイヤの駆動力を効率よく引き出すTCS(トラクションコントロールシステム)、2)高性能サスペンションおよびブレーキパーツ、3)軽量アルミ製燃料タンク、4)スリムな新作CF マグネシウムダイキャスト製リアフレーム、などを新採用。車体は空気の流れと調和するデザインで、「次世代のR-DNA」を表現しました。
「YZF-R1」開発で培った制御技術、車体系パーツを織り込みバランスを整え、高いスポーツ性能をさらに進化。ライダーのパフォーマンスを引き出す高次元なハンドリングを楽しめます。なお、10月13日に米国フロリダ州で開催のAIMExpo (American International Motorcycle Expo)で世界初公開しました。
■名称/YZF-R6
■発売月/2017年3月
■メーカー希望小売価格/12,199USドル
■販売計画/4,000台
《新たな特徴》
1)トラクションコントロールシステム (Traction control system)
加速時に後輪タイヤの駆動力を効率よく引き出すTCS(トラクション・コントロース・システム)を採用しました。発進時などで後輪スピンの兆候を検知すると、点火時期・燃料噴射量・スロットルバルブ開度を統合制御し、滑らかな発進性・走行性を支援します。走行環境やタイヤのグリップ力、好みに応じて介入度を6段階から選択できます。
2)フロントフォーク等「YZF-R1」同タイプ型パーツの織り込み
フロントフォークには、現行の41mm径に替えて43mm径インナーチューブの倒立式サスペンションを採用しました。現行「YZF-R1」と 同型のフロントフォークをベースに、専用セッティングを施し、適切な減衰力の発生とフロント接地感に貢献しています。フロントブレーキにも、YZF-R1 同タイプのパーツを採?。ディスク径は320mmでモノブロック4ピストン・2パッド対向型キャリパー(アルミピストン)とNISSIN 製ラジアルマスタシリンダの組み合わせです。(現行ディスクは310mm径)
3)高い製造技術を投入したアルミ製燃料タンク
「YZF-R1」に続き、軽量化のためアルミ製燃料タンク(17L)を採用しました。ニーポケット部をえぐり、素早いライダーの動きに適した形状です。スチール製比(現行「YZF-R6」比)で約1.2kg軽量です。ニーポケット部が窪むなど複雑な形状のアルミ製タンクの成形は、伸びが小さいアルミの特性がハードルとなって困難とされてきましたが、本モデルではプレス成形後にCMT(コールド・メタル・トランスファー)溶接を施し、熟練スタッフの手作業で溶接・仕上げし、強度と密封性・美しい外観を両立させました。
4)ライダーアクションを?える新シートとスリム設計のリアフレーム
シートとリアフレームを新設計しました。 シートは天面の傾斜がなだらかで、ライダーの太腿部分との干渉が少なく、優れた足付き性とフィット感を備えます。新タンクの効果が重なり、機敏な操縦性を支えます。このシートを支えるマグネシウム製リアフレームは、現行同等の強度・剛性を確保しつつ、左右幅を約20㎜スリム化しています。
5)エアロダイナミクス効果に優れる新作フロントカウル
新デザインのフロントカウル&スクリーンを採用しました。CdA値は現行比で8%向上させており、サーキット走行での最高速性能に貢献しています。
6)“凄みをまとった未来感”を漂わす新デザイン
ボディは、(1)次世代を示すR-DNA、(2)凄みをまとった未来感、(3)サーキットから街中まで場所を問わないエンターテイメントをキーワードにデザインしました。新形状のLED ポジションランプなどによって、睨みをきかしたフェイスを形成しています。
7)滑らかにシフトアップできるQSS(オプション設定)
機敏で滑らかなシフトアップ操作を支援するQSS(クイック・シフト・システム)をオプション設定しました。シフトペダルの動きをシフトロッドに設けたスイッチが検知すると、ECU演算によりエンジン出力を補正し、噛み合っているギアの駆動トルクを瞬間的にキャンセルし、シフトアップ操作を支援。「YZF-R1」と同様の仕組みです。
《従来からの特徴》
■アルミ鍛造ピストン■チタン材バルブ(吸排気)■エアインダクションシステム&YCC-I■ツインインジェクター採?YCC-T■スリッパークラッチ■クロスレシオ6速ミッション■マグネシウム製ヘッドカバー・ケースカバー■排気デバイスEXUP■チタン製サイレンサー■アルミ製フレーム(デルタボックス)■アルミ製リアアーム