【KTM】 電動スクーターコンセプトモデル E-SPEED 発表

掲載日: 2013年03月22日(金) 更新日: 2013年12月10日(火)
この記事は2013年3月22日当時の情報に基づいて制作されています。

リリース = KTM JAPAN株式会社

KTMは、3月22日に開催された第40回東京モーターサイクルショー2013でコンセプトモデルとして電動スクーター「E-SPEED」を発表した。最高速は時速85キロ、後続可能距離は60kmという実車は、同月24日(日)まで開催される同会場で展示される。

KTM/E-SPEED
以下リリースより
2013年3月22日

KTM「ゼロ・エミッション・スクーター」コンセプトを、
東京モーターサイクルショーで発表

KTM “E-SPEED”、それはスクーターの未来を語るモデルだ。全く無公害であることはもちろん、KTMらしさに溢れた独創的な個性と、最先端の技術を駆使して作り上げられており、かつライディングの楽しみにあふれている。
Mattighofen/Tokyo, 2013年3月22日、マッティグホーフェン発/東京発

すでに発表済みの “FREERIDE-E(フリーライド-E)”によって、KTM Sportmotorcycle AG社では、 “Zero Emission Sportmotorcycle(ゼロ・エミッション・スポーツモーターサイクル=完全に無公害のスポーツバイク)”というコンセプトを、きわめて洗練されたエンジニアリング技術を用いて、全く新しい外観のモーターサイクルとして完成させ、世に出すことに成功しています。続いて今、オーストリア共和国・マッティグホーフェンに本拠を置くKTM社では、 都市近郊の環境下でさらにその可能性を追求する新作、“E-SPEED” を世界で初めて、第40回東京モーターサイクルショーで披露し、3月22日から24日までの3日間、展示します。

2010年、会場は同じ東京モーターサイクルショーで、KTMとして初めての電動モーターサイクル、“Freeride-E(フリーライド-E)”がオフロード・バージョンおよびスーパーモト・バージョンの2種類のスタイリングで披露されました。3年前、この2機種のモデルは、当時まだプロトタイプとしての発表ではありましたが、熱狂を持って迎えられると同時に、その実現性について懐疑的な見方をされたこともまた事実でした。続く2011年、このコンセプトはオーストリア運輸相によって“State Prize Mobility”(移動手段に対する国家表彰) として表彰され、KTMはオフロード・バージョンの量産の予定について公式に表明しました。2012年には、“Freeride-E”の最初の量産車がマッティグホーフェンの製造ラインから旅立ち、KTMでは関心のある識者がこの電動モーターサイクルの試乗を行えるよう、本社からほど近い場所に専用のオフロードパークを開設しました。こうした形でコンセプトモデルは試験運用を行い、そのテストはさらに延長されながら実際の市場導入に向けて今もなおすすめられています。

『我々KTMは、電動化された移動手段は、伝統的なパワートレインの完全なる代替になり得る、との十分以上の自信を抱いています』とKTM社のCEOを務めるStefan Pierer(ステファン=ピエラ)は説きます。『長期的には、短距離の移動には電気駆動がその重要な位置を占めることになるでしょう。とりわけ、環境保護あるいは大気汚染の観点から極めてセンシティブな地域、たとえば自然が残されたオープン・エア・フィールドや人口の密集した都市中心地域などでは』。排気ガスによる環境汚染が全くなく、またほぼ無音に近いほどに静音なこの “Freeride-E”(フリーライド-E)によって、KTMは早くもこうした環境問題等にまったく制限を受けることなく使用できるモーターサイクルを保有することになりました。今回発表となる “E-SPEED”により、スポーツモーターサイクルの製造・開発に集中してきたKTMは、フリーライド-Eと同様のバッテリーおよびパワートレインを搭載したコンセプト車を披露し、都市近郊地域での同様のニーズに応えられるような概念を提案したのです。

“E-SPEED”は水冷式の、最大トルク36Nm、定格平均出力11kwの永久磁石同期モーター を搭載し、ベルトドライブ機構を通じてリアホイールを駆動します。電力は最先端のリチウムイオン・バッテリーをパッケージ化して搭載。4.36kwhの最大容量を誇るバッテリーは、欧州標準の220V家庭用電源を使用して2時間以内に完全充電させることが可能です。電気モーターの特性に違わぬパワフルな加速力と、わずか140kgにおさめられた軽量なパッケージにより、“E-SPEED”は都市近郊の往来をきわめて敏捷に走り抜けることを可能にしつつ、その車体はほぼ無音でありまた完全に無公害に仕上げられているのです。『 ‘E-SPEED’や ‘Freeride-E’といった商品は、社会の中に二輪車が改めて受け入れられる時代の接近を加速することになるだろう』とStefan Pierer は説明します。『それはただ単に環境に対して優しいからというだけではないのです。それ以上に、これらのモデルが持つ取り扱いの簡便さや驚くべき能力、そして何よりも本質的な楽しさが、二輪車の復権に資するはずでしょう』。

KTM/E-SPEED
KTM/E-SPEED KTM/E-SPEED

KTM “E-SPEED” は、一目見て受ける外観の印象からも明らかなように、スポーツ・モビリティとしての志に溢れています。KTMの力強いパートナーでもあるデザイナー、 Gerald Kiska(ゲラルド=キスカ)の手による、全く個性的な技術的解決と、まさに他の追随を許さないスタイリングが、そのイメージを創り上げました。すべての KTMの車両と、それを形作る部品一点一点もが、必ず美学的な思想と構造上の機能とを兼ね備えていなくてはいけない、という彼自身のモットーが、このモデルの隅々にまで表現されています。 “E-SPEED”のシャシー構成やボディーワークは、整然としながらも偶像的ともいえる、まさに高級感あるスタイルとしてまとめ上げられています。

サスペンションをはじめとする懸架関連装置はこれまでの典型的なスクーターの論法に則って組み上げられていますが、駆動装置である電子モーターは冷却フィンを兼用してデザインされたアルミニウム鋳造製のパッケージの中にカプセルのように封入されています。“E-SPEED”ではバッテリーをアルミ鋳造の外殻に一体化して収め、これにシャシーとしてスイングアーム、電子モーター本体、及びフロントサスペンションを支えるきわめて軽量なアルミ製サブフレームが接合されています。リア・スイングアームにはWP製ショックユニットがリンクを経由して懸架され、一方フロントホイールはWPサスペンション社自身も設計に関与した高品質な片持ちサスペンションによって支えられる構造となっています。空力特性に優れた高分子素材で製造されるフェアリング部分は操縦するライダーの脚部を悪天候から防御する機能を持つと同時に、バッテリーに冷却風を導入する機能も併せ持つ構造です。常時点灯になる前照灯(デイタイム・ライディング・ライト)およびハイビーム灯には最先端のLED技術を駆使。シート部分も一切の金属素材による補強を廃した、きわめて軽量ながら高剛性の高分子素材で生成されています。220mmのディスクローターを締め上げる、回生機能も併せ持つブレーキにはABS機能も標準で与えられ、14インチのアルミ製ホイールを経由してこのマシンを確実に制動させる力を路面に伝えます。

KTMのコンセプトモデル、“E-SPEED”は、古典的なスクーターを全く革新的なレベルに昇華させただけのデザインスタディではありません。肝心な目的は、生活空間の中にスポーツする楽しみと都市近郊型の移動手段とを兼ね備えた将来型の移動手段への期待を満たすことにあります。

“Freeride-E”の発表後、KTMでは再び、電動のモーターサイクルが軽量で、敏捷さを兼ね備えつつ、ライディングの楽しみを損なわないような後輪駆動の二輪車として将来性が十分にあるということを、改めて世に示すことになりました。KTMにとって、電動のパワートレインとライディングの楽しみ、環境問題への真摯な対応と “Ready to Race” というポリシーとの間には、何の矛盾もないものとなっています。しかし、それぞれのコンビネーションは、実現可能な将来のあるべき二輪車の姿に向けた、他に例を見ない出発点、スターティング・ポイントでもあるのです。

(バイクブロス・マガジンズ編集部)

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