【ライターコラム】道東の引力・なぜバイク乗りは北海道を目指すのか?/阿寒、摩周、屈斜路湖編② 静岡県焼津市の松田さん

掲載日: 2018年08月01日(水) 更新日: 2018年07月31日(火)
カテゴリー: 日刊バイクブロス   
この記事は2018年8月1日当時の情報に基づいて制作されています。

私は2018年7月中旬に1泊2日の日程で、本州などから道東に来くるバイカーたちに話を聞く取材旅行に出かけました。北海道の東の地域だから「道東」といいます。私も道東の釧路市というところに住んでいます。

道東は寂れた土地なのですが、毎年夏になると多くのバイカーがやってきます。ここに何があるというのでしょうか。

今夏、道東では蛾が大量発生しました。私の車のフロントでもこのとおり「死亡事故」が多発。バイカーたちを悩ませていることでしょう。

「わざわざ道東に来る理由? 確かに自然があふれる風景なら、信州にもあるよね。道東ならではの空気感としかいえないかな」

道東の魅力をそのように話してくれたのは、静岡県焼津市在住の松田さん(63歳)です。7月3日に北海道に入って、道東をぐるぐるまわって7月18日に、道東・弟子屈町の屈斜路湖畔にある和琴野営場に到着しました。相棒は、700㏄ビッグスクーター、インテグラです。

道内入りしてもう2週間以上経っている松田さん。とても丁寧なテント設営をする方です。

松田さんのインテグラ。

松田さんはこの3年ほど、年2回道東ツーリングをしています。本州も走り回っていて、今年5月には九州をじっくり回りました。
松田さんのバイク歴は、学生のころに少し乗って、30代でまた少し乗り、50歳ごろから現在までがっつり乗っている、といった感じです。

50代で大病に見舞われた松田さんは、「このままではバイク旅を続けることはできない」と考え、大好きな酒をやめて健康第一の生活に切り替えました。なので、キャンプ場のテントのなかでもノンアルコールビールです。

インテグラはクラッチがなく、ハンドルの左側の2つのボタンでシフトチェンジをします。

インテグラは5年前に買ってもう6万kmも走っています。63歳でそれだけ走り続けられるのは節制しているからだけではなく、無理をしていないからです。雨が降るとホテルに泊まって温泉につかることもあります。そもそもインテグラも、オートマだから買ったそうです。

和琴野営場の近くにある温泉旅館「湖心荘」。源泉かけ流しの温泉が日帰りで味わえます。

和琴野営場は屈斜路湖畔にあるので、少し歩けばすぐに水の風景にたどり着きます。400円で入ることができる日帰り温泉も、徒歩2分の場所にあります。

松田さんが利用したのはこちらの和琴野営場で、環境省が運営しています。

優れたロケーションと温泉のセットは、ここ屈斜路湖に限らず、道東各地に点在しています。なのに本州の観光地ほど人が押し寄せません。松田さんのように、1人でゆっくり静かにじっくり旅を楽しみたい人には、道東はうってつけの場所といえるでしょう。

和琴にはもうひとつ、和琴半島湖畔キャンプ場という別の民間キャンプ場もあります。森を抜けると湖が見えるシチュエーションが素敵ですよ。

和琴半島からながめる屈斜路湖。

(ライター アサオカミツヒサ)

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