ヤマハは、植物由来の新素材「セルロースナノファイバー強化樹脂」製のエンジンパーツを水上オートバイおよびスポーツボートの2024年モデルの一部に採用する旨発表した。
この素材は、木質資源を活用する素材であるセルロースナノファイバーをポリプロピレンなどの樹脂へ混ぜたもので、既存の樹脂素材と比較し軽量化が図れるほかリサイクル性にも優れる。同社ではこの素材を将来的に二輪車へ展開することを検討しているとのことだ。
~輸送機器部品への実用化は世界初~
ヤマハ発動機株式会社は、CO2削減、環境負荷低減に対する取り組みとして、植物由来のセルロースナノファイバー(以下、CNF)強化樹脂をマリン製品へ採用します。そしてこのたび、当素材の開発に関し、日本製紙株式会社(本社:東京都千代田区)と協業することで合意に至りました。当素材の輸送機器部品への実用化は、世界初(※)の事例となります。
当素材を用いて開発する部品は、水上オートバイおよびスポーツボートのエンジン部品で、2024年モデルの一部で採用する計画です。また、将来的にはマリン製品のみならず、二輪車などを含めた当社の幅広い製品群への展開を検討しています。
CNF強化樹脂は、木質資源を活用したバイオマス素材であるCNFを、ポリプロピレンなどの樹脂へ混練・分散することにより製造される高強度な新素材です。既存樹脂材料と比較し、25%以上の軽量化が図れることに加えて、マテリアルリサイクル性に優れるため、プラスチック使用量の削減とCO2を主とした温暖化ガス排出削減につながります。
当社は、本年2月発表の新中期経営計画(2022~2024年)において、持続的な社会への貢献を目指し、サステナビリティ対応の強化を進めています。目標達成に必要なカーボンオフセットの取り組みを加速させるため、今後もサステナビリティに寄与する技術の研究・開発を推進します。
※ 当社および日本製紙株式会社調べ
ヤマハ発動機株式会社(2022年11月16日発行)