ヤマハが2021年6月に発売した原付二種スクーター「NMAX ABS」に導入されたバイクとスマートフォンの連携システム「Yamaha Motorcycle Connect(Y-Connect)」。このシステムは、車両とスマートフォンをペアリングすることで燃費やメンテナンス時期、駐車位置やメール着信など、様々な情報をスマートフォンや車両のディスプレイに表示できるというものだ。
同社が国内販売する車両としては初採用となるこの機能だが、アジアや欧州では昨年より導入が開始されており、2024年には累計400万台にこのシステムを搭載することを目指すという。ヤマハでは将来収集されたデータを元に、パーソナライズされたツーリングプランの提案や、製品開発および品質保証などのサービスに活用することを検討しているとのことだ。
「まずお客様、そして販売店様、もちろん私たちヤマハにとってのメリットもしっかり創出していなかくてはなりません。三方よしとなって、はじめてそのつながりがより良い方向に発展していくと考えています」
こう話すのは、当社MCつながる推進グループの山田宗幸さん。バイクライフをより快適に、より充実させる専用スマートフォン用アプリ「Yamaha Motorcycle Connect(Y-Connect)」と、アプリに対応する125㏄スクーター「NMAX ABS」の国内導入を終えて、「市場からの期待の高まりを感じています」と話します。
「Y-Connect」は、愛車とペアリングすることで、バイクライフに役立つさまざまな情報が得られるアプリです。燃費管理やメンテナンスタイミングのお知らせ、最後に駐車した位置の確認など、さまざまな情報をリアルタイムでライダーにお知らせします。また、万一、車両にトラブルが発生した場合には、事前に登録したメールアドレスにその連絡が自動送信される機能等もついています。
同アプリに対応する二輪車製品は、インドネシアを皮切りに昨年からアジアや欧州各国に順次導入されており、2024年までに累計400万台まで広げていく計画です。
「四輪車がコネクテッドで先行している現状は、その先に控える自動運転を考えればいわば必然のプロセスです。対して二輪車では、何のためにつながるのか? つながることでどんな価値を提供できるのか? といったところから丁寧に提示していく必要があると考えています」
世界中からリアルタイムで集まる、お客様のバイクライフに関わるさまざまなデータ。それをどのように生かしていくべきか、山田さんは2つの方向感を示唆します。
「一つは、かたちを整えてお客様にお返しすることです。より楽しく、より豊かなバイクライフのために、走行データによってパーソナライズしたツーリングのご提案なども十分に考えられると思います」。もう一つの方向は、より良い製品開発や品質保証のために、社内(ヤマハ内)でお客様のバイクライフのデータを活用してくというものです。山田さんは、「いずれにしても、販売店様を含めた三方よしが大前提」と話します。
「将来的には、二輪車以外の当社製品にもコネクテッドの機能が広がっていくはずです。そうなれば、お客様のライフステージやライフスタイルに合わせて、ヤマハ発動機らしい、当社ならではのサポートを生み出せると考えています。そこを目指していきたい」と、話してくれました。
「私たちメーカーがお客様と直接コンタクトできるようになり、購入後の満足度をさらに高めていけるチャンスが生まれた」と、山田さん。今後、ツーリングの提案などパーソナライズされた情報提供も視野に、新たなサービスの開発に向けた取り組みが進められます。
ヤマハ発動機株式会社(2021年7月5日発行)
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