情報元=BMW AG
Text&Photo / Ryo Tsuchiyama
2018年1月18日、ドイツのBMWグループは同社二輪ブランドのBMWモトラッドが2017年の世界年間販売台数で過去最高記録を7年連続で更新したと発表した。2017年に全世界のマーケットで販売された台数は16万4,193台で、14万5,032台を販売した2016年から約1万9,000台増(前年比+13.2%)という驚異的な成長を記録した。
特に好調だったのはヨーロッパのマーケットだ。ヨーロッパ主要各国の販売台数は下記の通り。
1位 ドイツ/2万6,664台(前年比+7.1%)
2位 フランス/1万6,607台(同+24.3%)
3位 イタリア/1万4,430台(同+17.3%)
4位 スペイン/1万1,193台(同+17.6%)
5位 イギリス&アイルランド/9,950台(同+8.7%)
2017年はヨーロッパ全体でも前年比+15%の成長を記録した。なお世界最大の単一マーケットはドイツで、これは前年同様だ。
またアジアのマーケットでも成長は続いており、中国では前年比で2倍の伸び率を記録したほか、日本でも5,230台(前年比+14.8%)を販売して過去最高記録を更新している。
こうした結果を受けてBMWモトラッドのトップであるステファン・シャラー氏も「2020年までに年間20万台を販売するという我々の目標に向かって、2017年は大きなステップとなった」と述べている。
EICMA2017でC400Xを発表するステファン・シャラー氏
今回の発表では、各モデルレンジでの販売台数も明らかにされたので紹介しよう。
2017年に最も売れたモデルはR1200GS/R1200GSアドベンチャーで、この2機種だけで全世界で5万台以上を販売している。
ExclusiveやRallyeなど派生モデルも増えたR1200GS。写真はR1200GS Rallye
また、R nineTシリーズの新機種として2017年に発売されたPure(ピュア)、Racer(レーサー)、Urban G/S(アーバンGS)も好調で、前述のGSシリーズを含む水平対向エンジン搭載のRシリーズ合計では8万6,090台を販売した(前年比+9.6%)。
現在5機種をそろえるR nineTシリーズ
並列4気筒エンジンを搭載するSシリーズはS1000RR、S1000R、S1000XRの3機種合計で2万1,752台を販売。全販売台数の中でのシェアも13.3%と、BMWモトラッドにとって重要なモデルレンジとして存在感を放っている。
最新の電子制御を多数装備するS1000RR
並列6気筒エンジンを搭載するラグジュアリーツアラーのKシリーズは、K1600GT/GTLの刷新や、秋に投入されたバガーモデルのK1600Bと新機種投入が相次いだ結果、シリーズ合計で6,719台を販売。前年比+50%以上と驚異的な成長を記録した。
2018年に投入予定のK1600 Grand America
2017年に二輪業界で大きな話題となったのは、BMWモトラッドがG310RとG310GSを引っさげて500cc以下のセグメントへの新規参入を果たしたことだ。
日本では2017年6月に販売されたG310R
この2機種の各マーケットへの投入タイミングは、G310Rが5~6月、G310GSが10~11月で実質的にほぼ半年ほどの販売期間しかなかった。しかし、ふたを開けてみれば2機種合計で1万1,195台を販売。当初はアジアや南米など新興国市場向きと見られていたGシリーズは、ヨーロッパ市場でも好評で販売台数を大きく伸ばす結果に。
2018年に投入予定の新型Fシリーズ。写真はF850GS
このC400Xも2018年に投入予定
2018年は完全新設計のF750GS/F850GSを筆頭に、400ccクラスのスクーターC400X、前述のK1600 Grand Americaと話題のニューモデルの発売も控えており、BMWモトラッドの新車攻勢は止む気配もない。年間20万台の販売目標もいよいよ現実味を帯びてきた!