情報元 = 静岡県警察
新東名高速道路の新静岡-森掛川インターチェンジ(IC)間の上下線で、最高速度を現行の100キロから110キロに引き上げる試行が開始された。大型トラックやトレーラーなどは試行の対象外で最高速度は現行の80キロのままで、それに対応した標識や表示も新たに設定されている。今後、季節ごとの事故発生状況や実勢速度などを検証した上で、120キロまでの引き上げや、他の路線・区間での引き上げも検討するという。
平成27年度に行われた「高規格の高速道路における速度規制の見直しに関する調査研究」委員会での提言において、新東名高速道路は設計速度120キロの高規格高速道路の中で、「渋滞の発生が少ないこと」や「死傷事故率が低いこと」等から試行の対象となったものです。その中でも、「新静岡IC」~「森掛川IC」間は、試行区間は、3車線の区間の割合が高いこと、1キロ当たりの交通事故率が低いこと、霧や大雨等、視認不良時による最高速度の規制実施が少ないこと等の理由から、試行区間として選定しました。
■試行区間を走行する際の留意事項
最高速度が110キロに引き上げられますが、110キロで走行する必要はありません。十分な車間距離を保ち、進路変更する際は、進路変更しようとする車線の安全確認を確実に行っていただくとともに、交通状況に応じた安全な速度で走行してください。
■最高速度が「110キロ」となる対象車両
高速自動車国道における法定の最高速度が100キロとなっている車両を対象とします。法定の最高速度が100キロとなっている車両は、
・大型乗用自動車(大型バス等)
・中型乗用自動車(マイクロバス等)
・特定中型貨物自動車を除いた中型貨物自動車
(車両総重量8トン未満・最大積載量5トン未満)
・準中型自動車
・普通自動車
・125ccを超える自動二輪車
となります。
【「最高速度110キロ」のQ&A】
Q1/試行とは、具体的にどのようなことを行うのか?
最高速度の引き上げに伴い、実勢速度がどのように変化するか、速度差のある車両の混在が交通の流れや安全性にどのくらい影響するのか完全に予測できないことから、まずは一部の区間において、最高速度を110キロに引き上げ、実勢速度や事故実態等の変化の状況を見た上で、最高速度120キロへの引き上げや、他の路線、他区間の引き上げの検討を行うこととするものです。
Q2/試行区間では、どのような速度標識が設置されるのか?
最高速度が110キロに引き上がる車両用の標識と、最高速度を80キロのまま据え置く車両用(大型トラック等)の標識2種類が設置されます。それぞれの速度標識板の下には、対象車両を示す補助標識板や区間の始まり・終わりを示す矢印の補助標識板が設置されます。なお、この速度標識は、悪天候や道路工事等により、最高速度が80キロや50キロに変更される仕組みになっています。
Q3/法定速度が80キロとなっている大型トラックは、なぜ引き上げの対象としないのか?
大型トラックについては、貨物の状況によって走行が不安定になる場合があること、積載量に応じて制動距離が長くなること、他の車両より重量が大きいため同一速度でも運動エネルギーが大きくなり、事故発生時に被害が重大化しやすいことから、引き上げの対象としないこととしました。
Q4/大型トラックの最高速度を据え置くと、普通自動車との速度差が増大し、危険性が大きくなるのでは?
高速道路では、車両性能などにより、速度差のある車両が混在していることから、高速道路の安全で円滑な交通流を確保するためには、その速度差に応じた通行車線の区分を行う必要があると考えております。今回の試行で、速度差が20キロから30キロになることを踏まえ、新東名高速道路の3車線区間が、おおむね10キロ以上連続する区間(上り線2区間、下り線3区間)において、大型トラック等の通行帯を指定する交通規制を実施します。
Q5/試行はいつまで実施するのか?
試行後における平均速度の上昇度合い、交通事故の発生状況や季節ごとの交通状況の変化による影響等も含めた分析を行う必要があるため、最低でも1年は実施することとしています。
[お問い合わせ]
静岡県警察本部交通部交通規制課
TEL/054-271-0110(代表)