ホンダ、ヤマハ、BMWの3社が二輪車C-ITS実用化で協力

掲載日: 2015年10月07日(水) 更新日: 2015年10月07日(水)
この記事は2015年10月7日当時の情報に基づいて制作されています。

リリース = 本田技研工業株式会社

ホンダ、ヤマハ、BMW Motorradの3社は、10月6日にフランスのボルドーで開催されていた「ITS世界会議」において、バイク用C-ITS車載機の共同開発の検討をはじめ、二輪車C-ITSの実用化に向けて協力することを発表した。

C-ITSとは、車両と車両、車両と道路が通信で結ばれ情報交換することで、安全・効率・環境性を高める協調システムのこと。その究極の姿は自動運転システムと言われている。クルマでの開発は進んでいるものの、機器のサイズや防水・耐振性能、さらには車両の運動アルゴリズムの違いからバイクに活かせないことが課題となっており、今回の共同体制誕生につながった。なお、今後は他のバイクメーカーにも参加を呼びかけていくという。

左から、BMW Motorrad モーターサイクル研究開発本部長 カール・ビクター・シャラー
本田技研工業株式会社 執行役員 鈴木哲夫
ヤマハ発動機株式会社 副社長兼技術本部長 木村隆昭

以下リリースより
2015年10月6日


二輪車向け協調型高度道路交通システム(C-ITS)用車載機の共同開発の検討を開始

Honda、ヤマハ、BMW Motorradの3社は
二輪車の安全性のさらなる向上を目指し、C-ITS実用化で協力

本田技研工業株式会社(以下Honda)、ヤマハ発動機株式会社(以下ヤマハ)、BMW Motorrad(以下BMW)の3社は、このたび、二輪車の協調型高度道路交通システム(以下C-ITS)の強化と、Connected Motorcycle Consortiumと名付けられたコンソーシアムの創設を目指し、協働を開始します。

新たな共同体制は2015年10月6日、フランスのボルドーで開催中の「ITS世界会議」で発表されました。また、今後3社は、二輪車のさらなる安全性向上を目指すため、他の二輪車メーカーにも同コンソーシアムへの参加を呼び掛ける予定です。

[関係者コメント]

「二輪車に特化した安全機能の開発を加速させるため、我々は同心協力し、モーターサイクルやスクーターでのC-ITSの実用化を目指します」

「我々は、すでにCar 2 Car Communication Consortiumのメンバーとして、自動車メーカー、トラックメーカー、その他関係者などと積極的に協力し、共通仕様や基準作りに取り組んできました。しかし、二輪車だけに固有の要件については、同コンソーシアムの範疇でないことが判明しました。当然のごとく次にやるべきことは、二輪車にかかわる課題だけを専門に扱う協働関係を結ぶことです」

「我々の目標は、二輪車への安全システムの応用を広く、タイムリーに推進していくことにあります。従って、参加企業が今後、増えることを期待します」

「この推進事業は、ACEMの道路交通安全方針に完全に一致するものであり、極めて具体的かつ実用的な技術を開発することにより、ライダーの安全性を向上させようとの二輪車業界の意欲の表れである」

ITS技術の可能性
ITS技術は、あらゆる交通手段(特に二輪車)の安全性、セキュリティ、効率を向上させる可能性を秘めていますが、それには入念な準備と、適切な実装が鍵となります。

高度道路交通システム(ITS)には、交通インフラから車両、ユーザーに至るまで、情報や通信の技術統合が不可欠です。現在、その基本形として、GPSナビゲーションシステムに応用され、渋滞の度合いをもとにあらかじめルート変更を勧めるなど、リアルタイム交通情報の提供を可能にしています。特に道路交通に関しては、車両同士で相互動作可能なネットワーク型ワイヤレス通信により、道路利用者は、調整された十分な情報を得たうえでルートを決めることができるほか、交通量の多い都市部でのより安全な運転操作が可能になります。

ITS技術は、二輪車との関連において際立った安全上のメリットをもたらすと期待されています。とりわけ、他の車両のライダーやドライバーとの間で、ある程度の電子通信を共有し合う機能が挙げられます。

提携企業3社はすでに、欧州での幾度にもわたるフィールドテストを実施するなど、C-ITS技術の分野で経験を積んでいます。BMWは、自動車メーカーや大手供給業者と共同で、simTD(www.simtd.de)–ドイツのフランクフルト都市圏で実施されたC-ITSの大規模なフィールドテスト–に参加。一方、Hondaとヤマハは、DRIVE C2X(www.drive-c2x.eu)という全欧ITSフィールドテストのプロジェクトに参画しました。こうしたテストを通じて明らかになった課題に対し、提携企業3社は、C-ITSの諸方式を評価するなどし、二輪車の安全性の検証を行っていく構えです。

四輪車向けとは異なる二輪車向けITS
四輪車向けに設計されたITSは、そのまま二輪車に搭載することはできません。スペースの制約があることから、電子システムは、より小型で水やほこり、振動への耐性が求められます。

また、二輪車は四輪車とは走行時の運動特性が異なるため、ソフトウェア開発やアルゴリズムに特別な要件が必要です。

※このニュースリリースは提携3社から同時に送信されています。

(バイクブロス・マガジンズ編集部)

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