リリース = ドゥカティジャパン株式会社
ドゥカティは、スーパーバイク世界選手権2015シリーズに向け新しいチーム体制を発表した。イタリアのクラウドサービス会社アルバと3年契約を結び、チーム名をAruba.it.Racindとして2015年シーズンへ挑む。ライダーは2014年シーズンから引き続きチャズ・デイビスとダビデ・ジュリアーノを起用、新しいチームカラーが施された参戦マシンと共に発表イベントに登場した。
左#7がチャズ・デイビス、右#34がダビデ・ジュリアーノ
ドゥカティ・スーパーバイク・チーム、Aruba.it Racingをアレッツォで正式発表
・アルバ・データ・センターで公式チーム体制を発表
・新ウェブサイトでイベントをライブストリーミング中継
・チャズ・デイビスとダビデ・ジュリアーノが駆るパニガーレRの新カラーリングを披露
ドゥカティと、イタリアを代表するウェブホスティング/クラウドサービス会社のアルバは、今後3年間の契約を締結しています。
公式発表イベントにおいて、チームは、それぞれの業界(モータースポーツおよび情報テクノロジー)を専門とするメディアのほか、チームスポンサーおよびパートナーが出席する中、2月22日にオーストラリアのフィリップアイランドで開幕する2015年SBKシーズンの参戦計画と技術革新について言及しました。
2名のチームライダー、チャズ・デイビスとダビデ・ジュリアーノは、Aruba.it Racingが使用するファクトリー・パニガーレRを披露しました。新シーズンを戦うドゥカティ・スーパーバイク・チームのマシンには、新たなカラーリングが採用されています。
アルバS.p.A.最高経営責任者(CEO)兼チーム代表のステファノ・チェッコーニは、イベント主催者として精力的に活動するとともに、アルバS.p.AがドゥカティとともにSBK参戦を決めた理由について語りました。
ステファノ・チェッコーニのコメントは、次のとおりです。「弊社は長年、ウェブサイト、データセンター、認証Eメール、デジタル署名などのホスティングサービスを提供し、イタリア国内では相応の実績を残してきました。近年は、企業買収やクラウドサービスの成功に後押しされて、イタリア国外にも複数の基盤やデータセンターを展開するなど、国際的な拡大に着手しています。昨年11月には、“.cloud”ドメイン登録担当業者の競争入札に勝ち、全世界の市場をターゲットとするビジネス展開ができるようになりました。」
「したがって、弊社にはイメージやコミュニケーションの観点から、新たな展開をサポートする効率的なアプローチが必要になりました。モータースポーツに目を向けたのは、ごく自然の成り行きと申し上げるべきでしょう。モータースポーツは、人気の高いスポーツであると同時に、技術革新、研究開発などテクノロジーのイメージも強い世界です。個人的にもモータースポーツのファンであり、スーパーバイク選手権のこともよく知っているつもりです。スーパーバイク選手権は世界規模のイベントであり、TV放映やメディアの取材も適切なレベルに達しています。弊社の考えは、夢のプロジェクトになりました。おそらく、当初想定していたよりもアクティブなかたちでモータースポーツに関与できるでしょう。最初はプライベートチーム設立を考えていました。大きな困難が伴うにせよ、(プライベートチームの設立は)不可能ではないと考えていました。独自の方針を進めるうちに複数のチームやライダーとコンタクトを取り、さらに複数のメーカーともコンタクトを取る機会に恵まれました。最終的に、ドゥカティとのパートナーシップを選択した次第です。」
「ドゥカティと交渉を重ねる中で、(プライベートチームよりも)物事をうまく進める方法があるのではないか、たとえば双方の力を結束し、共有化を図ればファクトリーチームの利益になる、との結論に至りました。」
「我々は本日、大きな歓びに包まれています。弊社のプロジェクト、それは夢と言い換えてもよいでしょう、が実現されただけでなく、考えていたよりもはるかに大きな夢が叶ったのです。Aruba.it Racing、ドゥカティ・スーパーバイク・チームが誕生したのです。」
チェッコーニに続いて、ドゥカティ・モーター・ホールディング最高経営責任者(CEO)のクラウディオ・ドメニカーリが登壇、2014年の販売が順調に推移したこととスーパーバイク世界選手権の重要性を強調しました。
ドメニカーリは、次のように述べています。「アルバとの合意を大変嬉しく思っています。両社はともに、お互いの技術分野においてアバンギャルドともいうべき技術開発に成功しているだけではなく、“メイド・イン・イタリー”の卓越性を示している点や、情熱とともに業務に取り組み、世界各国のエンドユーザーやクライアントを満足させているという点でも価値観を共有しています。」
「2014年は非常に素晴らしい1年でした。販売台数は、過去最高を更新する45,100台に達しています。2013年実績と比較すると、2%増を記録し、5期連続の成長トレンドを継続しています。市場にはいまだに不透明感が漂っているものの、新たな製品の投入がテコとなり、この重要な実績を得ることができました。2015年には、スクランブラー、ムルティストラーダ、新型パニガーレ1299といったニューモデルを皆さまにお届けします。パニガーレ1299についてもう少しお話しさせていただきます。このニューモデルは、市街地でもサーキットでも最高峰のパフォーマンスを提供するモーターサイクルです。加えて、究極のサーキット体験を求めるライダーに向けて、パニガーレRも用意しています。Rバージョンは、さまざまな部分に手が加えられているほか、排気量はスーパーバイク・レギュレーションの上限である1,199cc に設定されています。」
「スーパーバイク世界選手権の重要性は、ドゥカティの歴史を見ていただければ一目瞭然でしょう。弊社は、これまでに14のライダーズ・チャンピオンシップと17のマニュファクチャラーズ・チャンピオンシップを獲得しています。パニガーレとともに、この数を上積みしたいと切望しています。アルバとの3年契約は、弊社コミットメントを持続させ、再び選手権リーダーに復帰するという目標を実現するうえで理想的な基盤となります。」
「最後に、ステファノ・チェッコーニに個人的な御礼を申し上げるとともに、弊社パートナーの中でも特に重要な企業のひとつとなったアルバには『スーパーバイク選手権にようこそ!』と申し上げたいと思います。公式ライダーのチャズとダビデ、そしてAruba.it Racing ? ドゥカティ・スーパーバイク・チームの幸運を祈ります。」
次に、ルイジ・ダッリーニャ(ドゥカティコルセ・ゼネラルマネージャー)は、ドゥカティコルセが今まで以上に積極的にスーパーバイク・プロジェクトに関与することを表明しました。さらにダッリーニャは、新技術規則の影響について説明しました。
ダッリーニャのコメントは、以下のとおりです。「2015年新レギュレーションによって、スーパーバイク・マシンは市販車と非常に近くなります。また、一部のテクニカル・コンポーネントの価格上限を定めるプライスキャップも導入されます。景気回復の糸口が見えない今、コストを制限し、参戦者にイコールコンディションを約束するこの方向性は正しいと言えます。ドゥカティコルセ社内でも、この数ヶ月間、組織体制の刷新に取り組んできました。これらの取り組みにより、ドゥカティ・ファクトリーと現地サーキットで仕事に取り組むエンジニア間の相乗効果が得られやすくなり、スーパーバイク・プログラムにもアドバンテージをもたらすと確信しています。また、スーパーバイクでも、アクラポヴィッチとのパートナーシップを締結しました。MotoGPでは、昨年より同社とのパートナーシップを確立させています。すでに新エグゾースト・システムが開発され、ウィンターテストでも素晴らしい結果が得られています。2015年は新たなパートナー、アルバとともに戦います。我々の目標はただひとつ、再び勝利を収め、今季タイトル争いの主役に躍り出ることです。」
さらにパオロ・チャパッティ(ドゥカティコルセ・スポーティングディレクター)とアーネスト・マリネッリ(ドゥカティコルセ・スーパーバイク・プロジェクトディレクター)が、参戦計画と新型パニガーレRについて、その詳細を述べました。
パオロ・チャパッティ:「2013年に苦戦を強いられ、昨年はオフィシャルチームとしてスーパーバイク選手権を戦いました。ドゥカティパートナーとして実績のあるFeel Racingとのコラボレーションを再開し、幸いにも、6度の表彰台と2度のポールポジションという良好なリザルトを得ることができました。今年はすでに、アルバとの合意という重要な一歩を記しています。彼らとともにチームマネージメントを行いますが、特にコミュニケーション分野で大きな力になってくれるはずです。今季の目標はさらに高く、新しいパニガーレとともにタイトル争いをしたいと決意しています。アルバとのパートナーシップの下、チーム組織に持続性を持たせることで意見の一致を見ています。Feel Racingとのコラボレーションも継続し、昨年と同様、チャズ・デイビスとダビデ・ジュリアーノをライダーに起用します。彼らには、どのレースでも表彰台を狙える実力があります。」
アーネスト・マリネッリ:「2015年型パニガーレRスーパーバイクは、昨年型の正常進化型です。新しいテクニカル・レギュレーションに則して、ノーマル仕様のサスペンション、ブレーキ、シャーシをアップグレードしています。大きな変更点は、エレクトロニクス、エンジン、アクラポヴィッチと共同開発したエグゾースト・システムの3つです。8,000ユーロのプライスキャップに合わせて、エレクトロニクス・パッケージは完全に刷新しました。市販車にも応用されたIMU(慣性測定ユニット)、昨年比で価格が1/3になる新マニエッティ・マレリMLEなど、エレクトロニクス・コンポーネントの多くが変更されています。価格には大きな差はあるものの、基本的に昨年と同様のマネージメント・ストラテジーを維持しただけでなく、新たなセットアップによるアップデートも図られています。エンジンのチューニングレベルはそれほど高くありません。ピストンなどは市販車と共通しており、新型パニガーレRのパワーユニットに近い内容です。とはいうものの、2014年仕様と同等の最高出力が得られています。」
チームライダーのデイビスとジュリアーノは、2015年の新しいカラーリングを纏うニューマシンを公開した後、ポルティマオとヘレスで実施されたテストで良好な結果が得られたことと併せて、2015年チャンピオンシップに向けた抱負を述べました。
チャズ・デイビス:「冬の間にかなり作業を進められました。正しい方向に向かっていると思います。自信を持って、今シーズンを迎えられます。毎週末、良いかたちで戦えるでしょう。Aruba.it Racing ? ドゥカティ・スーパーバイク・チームの新しいカラーリングは、素晴らしいと同時にアグレッシブです。オーストラリアの開幕戦が今から待ち遠しいですね。」
ダビデ・ジュリアーノ:「ウィンターテストでは、確かな手応えが得られています。特に先週のヘレステストでは、力強いペースで走行できただけでなく、ライディングが容易でした。ドゥカティチームの面々は、素晴らしいマシンを提供しようと、冬の間も一心不乱に仕事を進めてくれました。彼らの情熱と好意に感謝の意を表さなければなりません。イタリア人である僕がイタリアチームのマシンに乗れるのは、大変光栄なことです。ドゥカティとともに2年目のシーズンを戦えることも嬉しく思います。Aruba.it Racing ? ドゥカティ・スーパーバイク・チームに最良の結果を持ち帰れるよう全力を尽くします。」
イベントの模様は、チームの新ウェブサイトでライブストリーミング中継され、世界中のファンとメディアがイベントをライブで視聴しました。
Aruba.it Racing ? ドゥカティ・スーパーバイク・チームは、オーストラリアに遠征し、2月16日?17日にフィリップアイランドで実施される最終ウィンターテストに参加し、20日?22日に開催される2015年SBK開幕戦に臨みます。