バイクブロス×マガジンズ編集部 =文/写真
2010年は、バイク業界が活力を取り戻すきっかけとなる年なのかもしれない。そう感じるのは、今春から始まった国内外のメーカーによるニューモデルラッシュが途切れることなく続いているからだ。そしてその中にはあっという間に年間販売目標を達成してしまったヒットモデルも存在する。たしか、昨年の同時期はホンダ以外の国内メーカーに今ひとつ元気が無かったように思うが、ここにきてようやく各社が積極的にニューモデルを投入しはじめたという感じだ。
まず、ホンダは春先にデビューして大人気モデルとなった「CB1100」のアップハンドルモデル“TYPE-II”を6月9日より販売開始。そしていよいよ大型スポーツツアラー「VFR1200F」のデュアルクラッチモデルが7月29日から発売される。また、人気の250ccモデル「VTR250」に“B-STYLE”という特別カラーを設定し、小排気量モデルのラインナップ拡充にも余念が無い。一方、ヤマハは国内仕様のラインナップ追加こそ無かったものの、アドベンチャーモデルの逆輸入車「XT1200Zスーパーテネレ」を8月下旬に発売。さらに、中間排気量スポーツ「FZ8」シリーズが7月下旬にデリバリー開始となるなど、中型~大型クラスに注力している模様だ。そして、国内マーケットに対してもっともアグレッシブに働きかけているのがカワサキだ。近年意欲的に普通2輪免許カテゴリの再開拓に取り組んでいる同社は、400ccフルカウルスポーツ「ニンジャ400R」を8月1日に市場投入するほか、同日にそのネイキッドバージョンである「ER-4n」も発売する予定。特にニンジャ400Rは国内向けとして唯一のフルカウルスポーツとなるはずなので、非常に注目が集まっている。輸入モデルに目を移せば、6月19日にドゥカティのツーリングモデルである「ムルティストラーダ1200」が発売となった。モデル名こそ先代を引き継いでいるが中身は完全なブランニュー。エンジンと前後サスペンションを先進の電子技術によって制御する革新的な1台だ。夏と言えばハーレーの新型が主役という感があったが、今年はその他メーカーも話題に事欠かない。近年ではその低迷ばかりが話題となっていたバイク市場だが、復調のためには魅力的なニューモデルを発表するのがもっとも効果的な処方箋だ。
2010年を「バイク復活の年」と思い出せるよう、各メーカーからのさらなる提案を期待したいところだ。