先にイタリアで開催された EICMA(ミラノショー)においてピアッジオグループ傘下となる全ブランドがニューモデルを公開した。アプリリアからは「RS 660 Extrema」およびコンセプトモデル「ELECTRICa Project」の2台を出展。モトグッツィは「V100 Mandello」を含む3モデル。ピアッジオからは「PIAGGIO 1(日本未導入モデル)」。ベスパからは「Gts」を含む計4モデルが登場した。
「MADE IN ITALY」の卓越性を誇る、ピアッジオグループの全ブランドで新型車を発表。各ブランドには、今後ますます多様化し、高まるモビリティへの要求に応えるために、ピアッジオグループはイノベーションとテクノロジーに関するビジョンを策定し、巨額の投資を実施。
2022年9月30日現在、ピアッジオグループの世界販売台数は490,400台(内410,000台が二輪車)、売上高16億2,690万ユーロ、純利益7,090万ユーロを達成しています。これは同期間における過去最高の記録となります。ピアッジオグループは、2022年1~9月期において、スクーター分野では欧州におけるシェアの23.5%を占め、その地位を確固たるものにしました。また、北米のスクーター市場のシェアも34.9%に達し、その存在感はさらに大きくなっています。
全世界でのスクーター販売台数は、特に売上高が2桁の伸びを示し、同期間で過去最高の販売台数を記録したベスパブランドに加え、アプリリアブランドのスクーターの好調もあり、2桁増となりました。モーターサイクル市場も極めて好調でした。年初来9ヶ月間で、アプリリアでは新型のアプリリア 660 シリーズ(RS、トゥオーノ、トゥアレグ)、モト・グッツィでは V7 と V85 TT が特に人気を集めたこともあり、販売台数、利益ともに過去最高となる記録的な売上を達成しました。
ピアッジオグループの象徴的なブランド群は、変化し続ける世界の困難な課題に対応し、あらゆるモビリティのニーズを満たすさまざまな車両を提供しています。2023年に向けて、EICMA にてピアッジオグループの全ブランドの新型モデルを発表しました。
・aprilia RS 660 Extrema
・aprilia ELECTRICa Project (コンセプトモデル)
・MOTO GUZZI V100 Mandello
・MOTO GUZZI V7 Stone Special Edition
・MOTO GUZZI V9 Bobber Special Edition
・PIAGGIO 1 MY23(日本未導入モデル)
・Vespa Gts
・Vespa Gtv
・Vespa Primavera Color Vibe
・Vespa 946 10th Anniversario
RS 660 のラインナップ中、最もスポーティかつ軽量なモデルです。洗練された新たな標準装備品により、RS 660 エクストリーマは驚異の乾燥重量166kg を実現し、これまでのパワーウェイトレシオの水準を引き上げました(このクラスで最高レベルの 100Hp を達成)。標準装備として、公道走行可能な SC プロジェクト製のカーボンサイレンサー付きエキゾーストシステムが車体右側(従来はエンジン下)に装着されます。また、エンジンの下にはデザインを刷新した、高品質カーボン製の新型アンダーカバーとフロントマッドガードが装着 され、重量の軽量化に貢献しています。
シングルシートテールフェアリングも、RS 660 エクストリーマのスポーツ性を演出します(標準でパッセンジャーシートが付属します)。RS 660 エクストリーマでは、RS660 の標準の電子制御装置(トラクションコントロール、コーナリング ABS、エンジンブレーキ、エンジンマップ、ウィリーコントロールを含む)の調整機能に加え て、クイックシフトの方向を逆シフトに設定できるソフトウェアも使用できます。これにより、公道用とレース用で部品を交換しなくても、ギアチェンジペダルの設定を変更するだけで済みます。レースには非常に便利な機能です。
エレクトリカ(ELECTRICa)プロジェクトは、近未来の若年層ライダーに向けた、アプリリアのモビリティのビジョンを表現したモデルです。実験的モデルで常に最先端をいくアプリリアが明日を見据えて作り上げた、未来のバイクです。次世代のライダーに向けて、あらゆる環境で障壁を感じることなくバイクに乗る楽しみを 提案します。エレクトリカ プロジェクトは新しいコンセプトです。バイクに乗る楽しさと満足感を実現する軽量 でゼロエミッションのバイクは、未来の都市においても最大限の自由と走る悦びをもたらします。それらは決して損なわれることなく、卓越したスポーツバイクメーカーのアプリリアが生み出す全てのバイクの基盤とな る重要な理念であり続けます。
エレクトリカには、(アプリリアが属する)ピアッジオグループが1975年から 蓄積してきた電気駆動技術のあらゆるノウハウが駆使されています。ピアッジオグループが長い歴史の中で生産してきた膨大な車種の中には、世界初のハイブリッドスクーターである MP3 ハイブリッドも含まれています。このエレクトリカ プロジェクトによる新しいコンセプトモデルの外観は紛れもなくアプリリアであり、特 にフロントまわりは、すべてのアプリリアの特徴であるトリプルヘッドランプユニットをモダンにアレンジし、削ぎ落したシンプルさと明確なスポーツ性が際立っています。コンパクトなサイズと低いシート高だけでなく、軽量な車体、さらにハンドルバーの左右にブレーキレバーがあることから、スクーターからのステップアップに も適しており、優れた取り回し性が確保されています。
電気モーターは車体中央に配置され、チェーン駆動します。キーレスシステム、LCD メーターパネルなど、実用性重視のテクノロジーが採用されています。また、アプリリアが世界で初めて実用化し、現在でも最先 端を走っている、安全走行のためのアクティブ電子サポート機能が搭載されています。
モト・グッツィ V100 マンデッロは、モト・グッツィの歴史に新たな1ページを刻みます。従来のカテゴリーにとらわれないモデルで、モト・グッツィのバイクの特徴である、機敏なコーナリング性能とツーリング適性を併せ 持っています。同時に、革新的なテクノロジーとエアロダイナミクスソリューションを搭載し、モト・グッツィの未 来を切り開きます。V100 マンデッロは、まったく新しい画期的なデザインのバイクです。
まず1つ大きな特徴は、個性的で他に類を見ない、モト・グッツィ伝統の2気筒エンジンです。モト・グッツィの歴史の分岐点となるこのバイクには、極めて重要な革新的テクノロジーが多数導入されています。二輪車として世界初となるアダプティブ・エアロダイナミクス機能に加え、モト・グッツィのバイクでは初となる6軸慣性プラットフォーム、コーナリング ABS、セミアクティブサスペンション、クイックシフトなどの先進的な電子ソリューションが搭載されています。
また、洗練された技術特性を持つ新しい「コンパクトブロック」エンジンを初めて搭載したモデルでもあります。モト・グッツィならではのトルク感とサウンドを演出する 90°V ツインエンジンの伝統を受 け継ぎながら、設計は完全に一新され、非常に優れたパフォーマンスを発揮します。8,700rpm で115Hp を発揮し、最大トルクは6,750rpm で105Nm に達します。3,500rpm で最大トルクの82%を発生し、リミッターは 驚異の9,500rpm に設定されています。
コンパクトで俊敏性に富むシャーシ構造が、このバイクのスポーツ 性をサポートしています。一方で、ゆったりしたシートと自由度の高いライディングポジションが優れた快適性を実現し、ツーリングにも適しています。快適性と防風性を高めるために、電動調整式のトップフェアリングに加えて、速度やライディングモードに応じて燃料タンク側面のディフレクターの位置を自動的に調整するアダプティブ エアロダイナミクスシステムを世界で初めて搭載しました。ほかにも、パフォーマンスと燃料消 費量を正確に制御するライド・バイ・ワイヤ電子スロットル、高性能のマレリ製11MP ECU、電子制御を最適 に管理する6軸慣性プラットフォーム、クルーズコントロール、カーブでの予防安全を実現するコーナリング ABS など、最高水準の電子制御パッケージが多数搭載されています。
ライディングモードは、ツーリング、ス ポーツ、レイン、ロードの4種類が用意されています。それぞれ3種類のエンジンマップ、4段階のトラクションコントロール、3段階のエンジンブレーキを設定することができます。また、オーリンズ製 Smart EC 2.0 セミアクティブサスペンションのキャリブレーション機能により、ライディングスタイルや路面状況に応じてサスペンションセッティングが自動調整され、あらゆる状況下で最適な性能を発揮します(S バージョンに標準装 備)。
V7は、モト・グッツィの中で最も愛されているベストセラーモデルの1つです。ゆるぎない豊かさを象徴する モデルであり、イタリアの卓越したクラシックバイクの代表格です。V7 ストーン スペシャルエディションは、V7 ストーンに初めてダイナミックな特性を与えた、新たな提案です。V7 ファミリーの中でも最もモダンなデザインであるストーンでは、マット塗装が標準となっていますが、このモデルではボディカラーに特別色のシャイニングブラックを採用しています。
また、タンクには、モト・グッツィの証であるイーグルマークと赤色のライ ンが施されています。スポーツ性を演出する赤く塗装されたショックスプリングと、シートの鮮やかな赤色のステッチも、このモデルだけの特別仕様です。ハンドルバーライザーには、特別仕様車であることを示すプレートが取り付けられています。この装備パッケージには、バーエンドミラーとブラックアルマイト仕上げのビレ ットアルミ燃料キャップも含まれます。モト・グッツィ 850 ツインエンジンもカスタマイズされ、新しいグラファイ トカラーのヘッドカバーと、ブラックアルマイト仕上げのアルミ製スロットルボディプロテクターが装着されています。
モト・グッツィのロゴ入りアロー製エキゾーストシステムは、「マッスル」な外観を際立たせています。このエキゾーストシステムによってパフォーマンスが向上し、出力は 6,700rpm で 48kW から 49kW(66.5 CV)に、最大 トルクは4,900rpm で 73Nm から 75Nm に向上しています。
このモデルは V9 ボバーの特別仕様車で、モト・グッツィが手がけたスポーツカスタムです。ミディアムクラスのボバーモデルであり、ほぼすべてのコンポーネントが完全に黒で塗装され、第二次世界大戦後のアメリカで流行したダートトラックレースのバイクをモチーフとした、接地面積が広い幅広のオーバーサイズタイヤが 装着されています。
V9 ボバー スペシャルエディションの装備パッケージは、工場で特別色の黒とグレーのツートーン塗装が施されます。このカラーリングはティアドロップ型メタル燃料タンク(ビレットアルミキャップ 付き)を際立たせ、アルミサイドパネルにまで及んでいます。ハンドルバーの端にはバーエンドミラーが装着され、フォークブーツと短めのフロントマッドガードとともに、このバイクの優れたデザイン性を高めています。公道仕様のマットブラックのスリップオンマフラーは、モト・グッツィ 850 2気筒エンジンならではサウンドをさ らに際立たせます。エンド部分がアルミ製で、絞り込まれたスマートなデザインになっています。
ピアッジオ 1(ワン)は、最新の電動スクーターに求められる特性(都市部での通勤通学に適した機敏さと軽さ、シンプルなデザイン、実用性)と、ピアッジオ スクーターの品質と信頼性を兼ね備えています。最も重視したのは安全性ですが、頑丈なフレームやサスペンションによってライディングの楽しさも実感できる設計になっています。また、魅力的なデザイン、快適性、高い走行性を実現するとともに、カラー表示のデジタルインストルメント、完全に LED 化されたライト類、キーレスシステムなどの充実した装備パッケージを備えています。
さらにピアッジオ 1 は、このカテゴリーの電動スクーターとしては数少ない、ジェットヘルメット を収納できる広さのシート下収納を備えています。パワーユニットの改良により、ピアッジオ 1 のような電動バイクに搭載されるリアホイール内蔵モーターの性 能が向上しました。発進と停止の頻度が高く、パワーが必要な坂道もある都市部での移動がより速く、より楽になります。
ピーク出力は、時速45km に制限されたモペットバージョン(ピアッジオ 1)ではほぼ2倍の2.3kW となり、モーターサイクルバージョン(ピアッジオ1アクティブ)では3kW に達しています。それにより、加速性能が飛躍 的に向上し、ピアッジオでは14%、ピアッジオ1アクティブではほぼ12%アップしています。いずれのバージョンでも、バッテリーはシート下に配置されており、簡単に取り外して自宅やオフィスで充電することができます。
ベスパ GTS は、世界で最も愛されている二輪車の1つであるベスパの中でも、大型のスチールボディを備 えたベスパに与えられた伝説的なモデル名「Vespone」を受け継ぐモデルです。ベスパは街を優雅に走るのはもちろんのこと、改良が重ねられた大容量のエンジンが搭載されているため、ちょっとした遠出や、ツーリングにも気軽に出かけることができます。
スタイリッシュに進化したベスパは、伝統とモダンさをマジックのように両立させています。GTS シリーズでも細部にまでこだわりを追求し、その外観の素晴らしさは前例のないレベルに達しています。フロントシールドの「ネクタイ」のデザインが新しくなり、ボディのメタリック部分にもさまざまな塗装仕上げが施されています。
また、すべてのライト類に LED が採用されています。リアまわりも 刷新され、新しいサイドパネル、新しいナンバープレート用ブラケットを導入するとともに、ライティングシステムの形状も新しくなっています。そのほか、新型のミラー、より幅広でエルゴノミクスになったハンドル、電子 制御装置も導入されました。また、インストルメントに表示される情報が増え、キーレスシステムも搭載されています。また、シートも刷新されています。快適性が向上し、安定した座り心地を実現しています。
快適性については、新型ベスパ GTS では大胆な改良がなされています。制御性を高めた新しいフロントサスペン ションが採用されており、路面の段差による衝撃を吸収する能力が向上しています。さらに、効率的かつ強 力なブレーキシステムも新たに採用されています。ABS とトラクションコントロールシステムは標準装備です。製品ラインアップには、装備パッケージとカラーバリエーション(全14色展開)が異なる4つのバージョ ンがあります。また、新型ベスパ GTS のエンジンには、ベスパ史上最もパワフルな約 24Hp を実現した 300 HPE と、スタート&ストップ、高性能、低燃費という特徴を備えた125 i-get シリーズの2種類があります。
(※)これらの内容は本国仕様であり、日本仕様の内容とは異なる場合があります。
ベスパ GTV は、ベスパ GTS をベースに、斬新な外観デザインを施したモデルです。伝統的な初代ベスパの特徴を受け継ぎながらも、極めてモダンな装備パッケージを備え、刷新されたスポーティな塗装仕上げが 施されています。伝統とモダンさ、クラシックとアグレッシブさという相反する特徴を併せ持った、明らかにベスパ史上最高にスポーティでユニークなモデルに仕上がっています。
特徴的な低い位置のヘッドランプには LED が採用され、新しいインストルメントはエレガントな丸い形を保ちながらも完全にデジタル化されています。この特徴を最大限活用できるように、ベスパ MIA 接続システムを別売アクセサリーとして取り揃えてい ます。インストルメントは、オリジナルのブラケットでハンドルに接続され、小さいながらもアグレッシブなトップフェアリングで囲まれており、スポーティさが強調されています。
フロントシールド中央部の特徴的な「ネクタイ」にはスポーティな横方向のスリットが配され、オレンジ色の縁取りが施されています。ホイールには 5 本のマットブラックのスポークが新たに採用され、リム部分にはオレンジのグラフィックが配されています。ベスパ GTV のもう一つの大きな特徴は、ツートーンのレーサー風シングルシートです。さらに、シートの後方には、ベスパのレース仕様車のフェアリングを彷彿させるボディ同色のハードカバーを装着できます。カバーはアクセサリーとして別途用意されており、取り外し可能です。
新型ベスパ プリマベー ラカラーバイブは、常識にとらわれないカラフルなベスパの世界観を表現したシリーズです。ベスパ プリマベーラ カラーバイブの特徴は、ツートーンの特別色です。ボディカラーにはサンセット オレンジとイノチェンツァホワイトが採用され、大胆なターコイズブルーのオッタニオ(鴨の羽色)で塗られたフットボードとマッチしています。
フロントシェードとサイドパネルには専用のグラフィックが施され、黒く縁取られたオリジナルの対照色「ステイン」がボディ全体を斜めに横切ります。フロントシールドの典型的なステアリングカバーもターコイズブルー で装飾され、専用ホイールリムはこのバージョンのみの特別な艶出しメタル仕上げが施されています。ベスパらしさをさらに象徴するものとして、ボディのさまざまな場所にスポーティな黒いラインが施されています。
この黒のアクセントは、ヘッドランプ、テールランプフレーム、フロントシールドを横切るライン、フロントマッドガードのクレスト、フロントサスペンションのスプリングとガード、パッセンジャー用グラブハンドル、サイレンサーカバーに添えられています。シートはブラックで、アンスラサイトのステッチが施されています。
ベスパ 946 の誕生10周年を記念した特別モデルで、クラシックベスパのカラーであるグリーンをモダンな色調にした専用カラーが採用されています。トレンドセッターとしての役割を担うベスパ 946 の10th アニベル サリオは、ソフトでビロードのような色調ながらも、わずかな毒気を感じさせる、独創的なカラーリングとなっています。これは、ニューヨーク、ロンドン、ミラノで開催されたファッションウィークの2023年春夏ファッションコレクションでのトレンドカラーでもあります。一見パステルカラーに見えますが、光を当てると深みを増す パール調の仕上がりになっています。
ピアッジオグループジャパン株式会社(2022年11月25日発行)