どもRyoTです。
先週はド・マニアックな「バハ仕様のKX500」ネタをぶち込みましたが、じつはアメリカで仕入れてきたKX500ネタがまだありまして。ま、極々一部の人にしか刺さらないと思いますが気にせずやります(笑)。
前回もお伝えした通り、ワタクシは7月にアメリカ・オハイオ州のピッカリントンという街にある「AMA Motorcycle Hall of Fame Museum(モーターサイクルの殿堂)」に行ってきました。ここはAMAのミュージアムだけあって、アメリカのモータースポーツにまつわる様々なマシンが展示してありました。そこで心を奪われたのがコレ!
ハイきましたー!KX500のスーパーバイカーズ仕様です!
スーパーバイカーズとは70年代後半からアメリカで始まったモータースポーツで、オン・オフ・フラットトラックのライダーで誰が一番速いか!?をフラットトラック仕様のモトクロッサーで競うというレースです。当時はアメリカのTV局ABCでレースが放送されていたそうでそれはそれは人気だったとのこと。(←僕は世代的にリアルタイムをまったく知らないので以前雑誌で読んだ記事の受け売りですが)
で、このKX500は1984年にカリフォルニアのカールスバッド(Carlsbad)で行われたABCスポーツ主催のレースでKent Howerton(ケント・ハワートン)選手が走らせたマシンです。
19インチ萌えなのでフロントタイヤばかりガン見してしまいます。パターンはフラットトラックのタイヤそのもので、サイズは3.75−19(リアは4.00−18)。前後ともにタイヤはCARLISLE社の「Arrow Rax」です。こんなタイヤブランドがあったんですね。恥ずかしながら初めて知りました。
500ccの2ストってだけあってチャンバーはド迫力!きっとスーパーバイカーズ用のスペシャルなんでしょう。よく見るとフロントフェンダーの後ろ半分は肉抜きしてあります。熱対策かな?
はぁ〜何回見てもカッコイイ。17インチのスーパーモタードよりこっちの方が断然カッコイイと思うのは僕だけでしょうか。
90年代に入ると欧州発祥のスーパーモタードが世界的に大流行して各メーカーも色んなモタードモデルを出しましたよね。一方、スーパーバイカーズの方はというと、パッと思いつくのはカワサキのKS&KSRシリーズとヤマハTDRシリーズくらいでしょうか。もっとたくさんあってもイイのに……とは思いますが、当時はスーパーバイカーズという競技自体がマニアックだったのかもしれません。でも最近はフラットトラックが世界的にブームになってきているし、そーゆー流れの中で「スーパーバイカーズの再評価」が始まんないかなー、なーんてことも思ったり。
そそ、僕が足を運んだ「AMA Vintage Motorcycle Days」というイベントでは超巨大スワップミートも開催されてまして、そこでKX500も何台か売られてたんですよ!
1994年式のKX500。FMFのチャンバー付き、さらに新品のコンロッドとクランクベアリングもオマケで付いてきて2,000ドルポッキリ! これなかなかお買い得じゃないですか?
XT500やらKL250、IT400、JAWAなどが売られていたイベント参加者のパドック。出展ブース以外でもあちこちで値札の付いたバイクが売ってました。手前のカワサキGA100とホンダS90(CS90)は売り物を見にきた兄ちゃん達が乗ってきたバイクです。
お!いたいた!
こちらのKX500は1987年式。この年式はまだ正立フォークですね。こいつはプロサーキットのチャンバーとFMFのサイレンサー付きで2,250ドル。これまたお値打ちな感じがあります。やれてはいますが、ステップ周辺のフレーム塗装が全然剥げてないのでガンガン乗り倒された個体ではなさそう。
偶然ですが今回見かけたKX500はいずれも2,000ドル台と比較的お手頃価格でした。実際のアメリカ相場もそういう感じなのかもしれません。いま血眼になってKX500を探している方はぜひ参考にしていただければ(いないと思うけど)。
というわけで二週に渡ってKX500ネタをお届けしました。日本に100人くらいはいるであろう「2スト500モトクロッサーマニア」にこのコラムが届くことを祈りつつ、今日は失礼いたします。
あ、せっかくなんでKX500の全開サウンドが楽しめる最高な動画をひとつ。アメリカのオシャレMXウエアブランド、FASTHOUSEが制作した動画。あのグレンヘレンでKX500がガチアタックしてます!
来週もアメリカで見たレアバイクネタをお届けしますのでお楽しみに!
ではまた。
前回の「KX500バハ」の記事はコチラ
【編集部コラム】三つ目のお化けが出たぞー!AMAミュージアムで見た「KX500バハ」