NSR250Rのコラムなので、極力NSRの写真を載せたいのですが、いつも私の1989年型NSR(MC18後期)ばかりお見せするのも申し訳ないので、きょうは「よその人のNSR」を紹介しようと思います。
これは私のNSRの翌年にフルモデルチェンジされた1990年型NSR、MC21です。ずっとみてられますね。
さて、私のいきつけのバイク店の店長いわく、これくらいの状態のMC21の販売価格は、大体50万円くらいだそうです。だから、諸費用とか保険とかロードサービスをつけたりすると、コミコミ60万円くらいといったところです。
約30年前のバイクなので、ツーリング中の故障のことを考えてロードサービスもつけておいたほうがいいでしょう。
私の価値観でいうと、わずか60万円で「一度天下を獲ったことがあるバイク」に乗ることができるのはとてもお買い得だと思いますが、世間の評価はどうでしょうか。
バイク店の店長によると、NSRは20代、または40~50代の方が買い求めることが多いそうです。
40~50代は、「もう一度乗りたい」派と「当時乗れなかった」派にわかれます。
20代は、「親からすすめられて」派と「2ストという奇妙なものに興味を持った」派にわかれます。
ではなぜ30代はNSRを選ばないのでしょうか。
60万円なら、1~2年落ちの新品同様のNinja250やYZF-R25が視野に入ってきます。そして30代の親の世代はNSR世代より上の世代なので、親から「NSR伝説」の薫陶(くんとう)を受けていないわけです。
また30代なら、20代よりお金もあるので、250ccなら「あのバイク」を買うことができます。
そうです、新車80万円バイクのCBR250RRです。中古ならもう70万円くらいになっています。
「30年前のバイクに60万円を出すなら、もう数十万円追加して最新バイクを買う」と考えるほうが、どう考えても自然です。
だから現代のNSR乗りは、価値観の崩壊が起きているんですね。