私は高2のときGPZ400Rを購入しました。80年代の中型バイクでは1、2を争う名車といえるでしょう。高校に入って部活も勉強も遊びもせず、ガソリンスタンドのバイトでお金を貯めました。そんな貴重なお金で買うので、最高のバイクがほしかったわけです。
ところがそれが失敗でした。
実はバイクの性能がよすぎてまったく扱えなかったのです。中2のころ、親にヤマハGT50を買ってもらって河原で遊んでいました。そこまで練習しているのだから、私は「GPZ400Rだって簡単に乗りこなすことができる」と思っていたのです。
ところがGPZ400Rは乾燥重量176kg、59馬力という化け物です。GPZ400Rが納車されて少し走っただけで「えらいものを買ってしまった」と思いました。
しかも当時の高校は、バイクの免許を「取らせない」「買わせない」「運転させない」の3ナイ運動を展開していて、級友にバイク友達はいません。かといって暴走族にバイクの乗り方を教わるわけにもいかず。
わずかに2人ほど中学時代の知り合いが中型バイクに乗っていましたが、彼らも私と似たような状態で、私にライディングを教えられるわけもありませんでした。
他の人なら絶対にコケないような緩い見通しのよいカーブでコケたり、普通に押し歩いているだけなのに立ちゴケしたりと、惨めな気持ちを何度も味わいました。
大学受験に突入し兄にGPZ400Rを預けたとき、正直肩の荷がおりた思いでした。
それで私は、45歳でリターンするとき軽いバイクにしようと決め89年製NSR250Rを買いました。NSRは45馬力ですが、これで十分スリルを味わわせてもらっています。
たまにバイク屋さんのツーリングイベントに参加させてもらうのですが、50代で300kg近いハーレーに乗っている人や、最初のバイクがZX-14という20代の人がいるのですが、私にとっては「神」ですね。
カワサキGPZ400Rの詳細、当時のカタログの解説は以下のリンクからどうぞ!
カワサキGPZ400Rの当時のカタログを見る