【ホンダ】 東京モーターショー2015での代表挨拶内容

掲載日: 2015年10月29日(木) 更新日: 2015年10月29日(木)
この記事は2015年10月29日当時の情報に基づいて制作されています。

リリース = 本田技研工業株式会社

ホンダは、東京モーターショー2015のプレスブリーフィングで登壇した代表取締役社長・社長執行役員の八郷隆弘氏の挨拶文を発表した。

以下リリースより
2015年10月28日

第44回 東京モーターショー2015
代表取締役社長 社長執行役員 八郷隆弘 挨拶内容

Hondaは、「The Power of Dreams」を原動力に、皆さまの夢と、つくり手である私たちの夢を重ね合わせつつ、これまで新しい価値の創造に努めてきました。人々の生活や人生の可能性を広げるような夢を描きつつ、その実現に向けたチャレンジを繰り返す中で、常に夢の持つ力を大切にしてきました。

今回Hondaのブースでは、この夢に連なるグローバルブランドスローガン「The Power of Dreams」をテーマに、コーポレートカラーの赤いラインで、ステージを貫きました。

そして、ここに並ぶ数々のモデルは、Hondaの原点ともいえるスーパーカブや、最新のHondaJetなど、人々の生活に役立つモビリティから、F1(フォーミュラ・ワン世界選手権)やMotoGPマシンを頂点とする、走りを追求したモビリティまで、Hondaのものづくりに対する志を形にしたものです。

さて、私は社長就任時に、新しいHondaを目指すにあたり、「Hondaらしいチャレンジングな商品を開発し、全世界のお客様に喜びをお届けすること」をテーマの一つとして掲げました。今日は、そんなHondaらしさにあふれた、チャレンジングなモビリティを皆様にご紹介したいと思います。

まずは、私たちの原点ともいえるスーパーカブです。1958年、Hondaは、生活に役立つ新たなモビリティとして、このスーパーカブを提案しました。一方で、その翌年には、当時の二輪レースの最高峰であるマン島TTレースに出場を果たしています。生活に役立つ身近な製品を開発する一方、モビリティを追求する企業として、走りを究めることも、不可欠であると考えたからです。

こうしたDNAは、今も受け継がれています。Hondaは、モーターを搭載した「EV-Cub Concept」、環境性能に磨きをかけた「Super Cub Concept」などの次世代モデルを、発売を前提に開発しています。今後も、多くのお客様に愛され、新しい時代を担えるスーパーカブを生み出して行くつもりです。

一方、走りの追求においては、今年それが一つの形となりました。二輪ロードレース世界選手権の最高峰であるMotoGPクラスで、Honda「RC213V」を駆るマルク・マルケス選手が米国インディアナポリスにて、歴史的な優勝を飾っています。この優勝により、1961年にFIMロードレース世界選手権スペイングランプリでトム・フィリス選手が初優勝して以来、Hondaは前人未踏の通算700勝を達成しました。これまでの皆さまのご声援に心より感謝いたします。

このMotoGPクラスで活躍するHonda RC213Vで公道走行を可能としたものが「RC213V-S」です。「世界一速く走るマシンとは、世界一操りやすいマシンである」という思想に基づき、新たな試みを具現化したモデルです。レースで得た技術の、単なる市販車への還元ではなく、その枠を超えた「世界最高峰の夢のマシン」を、今、お客さまのもとにお届けします。

四輪の世界においても、Hondaは今シーズンより、世界最高峰の四輪レースであるF1にチャレンジしています。1ヵ月前に開催された日本グランプリでも、皆様から多くのご声援をいただきました。それを大きな力にして、チームは果敢にチャレンジを続けております。

F1マシンと同じように、Hondaらしい走りと高い環境性能を高次元で実現したモデルが、新世代スーパースポーツの新型「NSX」です。

新型NSXは、軽量なボディーに、新開発の縦置き直噴V6ツインターボエンジンをミッドシップにレイアウトし、走りと燃費性能を両立した3モーターハイブリッドシステムを搭載する、スーパースポーツモデルです。

私もこの新型NSXを運転しましたが、3モーターで四輪の駆動力を制御するオン・ザ・レール感覚の走りは、クルマとの一体感にあふれ、まるで自分の手足のようにクルマを操る楽しさを感じることができました。まさに、車名の由来である「New Sports eXperience」を体現したクルマに仕上がっています。

この新型NSXは、来春から北米での生産が開始される予定です。その後、北米での販売を皮切りに、日本を含めた各地域へ、順次投入して行きます。ぜひご期待ください。

続いて、新型NSXより、ひと足早くお届けできるスポーツモデルとして、新型「CIVIC TYPE R」をご紹介します。

身近な量販車であるシビックに、ありったけのスポーツDNAを注ぎ込んだモデルが、このシビック TYPE Rです。歴代最高のシビック TYPE Rを目指した今回のモデルは、Hondaが目指した「走りを究める」という志の具現化です。

このクルマは、ドイツ・ニュルブルクリンクをはじめとする、さまざまなコースでのテスト走行で鍛え抜かれた上、この夏、欧州で発売され、大変ご好評を頂いております。そして、日本の皆さまには、国内限定750台、価格は428万円※1でお届けします。Hondaの熱いスポーツDNAを、ぜひ、皆さまの五感で感じてください。

さて、二輪車です。Hondaは、オンロードでの操る喜びを、オフロードにも広げました。独自の二輪車用の「デュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)」技術を、オフロードモデルでも対応可能とし、これを搭載した「CRF1000L Africa Twin」を年内、欧州を皮切りに販売します。

また、二輪のFUN領域における新たな方向性を示すモデルとして、ハイブリッドシステムを搭載し、「楽しく、より安心感のある操縦フィーリング」を追求したスポーツハイブリッド三輪「NEOWING」、そして、FUN領域における新たな方向性を示すモデルとして、スポーツモデルの代名詞である「CBシリーズ」を進化させた「コンセプトCB」も展示しました。ぜひ、ご覧ください。

ここで、二輪車市場の活性化についても、少しお話しします。Hondaは、グローバルなモータリゼーションの発展に努めており、国内市場において、交通安全の普及、マナーの向上、小型限定免許の取得要件の軽減、駐車インフラの整備・拡充などに、行政と一体となって取り組んできました。こうした活動が、国内二輪車産業の活性化と市場の拡大につながるものと確信しつつ、今回、斬新で魅力的な50ccのコンセプトモデル2台を提案し、市場の活性化につなげていきたいと考えています。

さて、今から約13年前の2002年12月。Hondaは究極のクリーンカーである燃料電池自動車、すなわちFCVを世界に先駆けて実用化し、未来への扉を開きました。以来、Hondaは性能の進化と向上に努め、難しいとされた寒冷地における走行の実現や、米国における世界初の個人ユーザーへの納車など、FCVが「当たり前の乗用車」として普及することを目指し、常に一歩先を走り続けてきました。

本日は、環境性能はもちろん、運転する楽しさや使う喜びも併せ持った、新型FCV「CLARITY FUEL CELL」をご紹介します。

このモデルは「人のための空間は最大に、メカニズムのスペースは最小に」という、Hondaに脈々と息づく「MM思想」のもと、独創のパッケージを実現した、FCVのベンチマークとなりえるセダンです。

小型化したFCパワートレインをボンネット内に搭載することで、通常のガソリン車セダンと同等の5人乗りキャビンとし、FCVトップクラスとなる700km以上※2の一充填走行距離を、モータードライブのもたらす爽快な走りとともに実現しました。CLARITY FUEL CELLは、まず、日本で2016年3月に発売し、その後、米国や欧州に展開していきます。

また、Hondaは、このCLARITY FUEL CELLを、スマート水素ステーションや外部給電器と組み合わせることで、水素エネルギーを「つくる・つかう・つながる」社会作りにつなげて行きたいと考えています。外部給電器「Power Exporter 9000」は、一般家庭が使う約7日分の電力供給能力があり、CLARITY FUEL CELLと同時発売の予定です。「水素をつくる・水素をつかう・水素でつながる」という、CO2フリーなエネルギー循環で、暮らしをより便利にするイメージは、西展示棟の「SMART MOBIRITY CITY 2015」ブースに展示されますので、併せてご覧ください。

さて、こうしたさまざまなモビリティを提供するとともに、Hondaはクルマ社会が抱える課題である交通事故や渋滞、高齢化に伴う移動の問題などにも向き合っています。「Honda SENSING(ホンダ センシング)」という安全運転支援技術の進化の先に、自動運転の実現があると考え、現在、このHonda SENSINGの機能向上、適用の拡大に取り組んでいます。ドライバーはHonda SENSINGにサポートされ、安心感を抱き、快適性を感じた上に、クルマでの移動そのものを楽しむことができます。自動運転が実現できれば、危険回避性能と運転支援性能がさらに高まり、Hondaが目指す安全性の究極の目標である「事故ゼロ」と、「自由な移動の喜び」の提供が可能となるはずです。

そのためには、高度な知能化技術、高性能の外界認識センサーや高精度の地図などを使ってクルマの状況を認知し、次の行動を決定できる制御機能を備えた自動運転の実現が不可欠です。具体的には、2020年をめどに高速道路における自動運転の実用化を目指し、技術開発を進めています。Hondaはこれからも、「社会的負荷ゼロ」と「社会を支えるクルマの進化」を目標に、自動運転に関わる技術で社会に貢献していきます。

最後に、今年は、こうしたHondaの新たなモビリティへのチャレンジがひとつ、実を結ぶ年になります。創業者の夢であった航空機産業への参入が、ジェットエンジン「HF120」と、そのエンジンを搭載するビジネスジェット機HondaJetにより、実現間近となりました。Hondaは、航空機の分野でも、お客様に自由な移動の喜びと、豊かで持続可能な環境を提供していきます。

考えに考えを重ね、独創的なアイディアを、革新の技術でカタチにすること。想いを、想いのままで終わらせることなく、今までにないような製品を生み出していくこと。本日ご紹介した、Hondaのモビリティすべてにこの志が貫かれています。

これからも、Hondaは「The Power of Dreams」を原動力に、世界中のお客様一人ひとりに感動や喜びをお届けできるモビリティの実現に向け、「チームHonda」一丸となってチャレンジを続けていきます。

ぜひとも、今後のHondaにご期待ください。

※1消費税8%込み
※2JC08モード走行時、Honda測定値

[お問い合わせ]
本田技研工業株式会社
お客様相談センター
TEL/0120-112010

(バイクブロス・マガジンズ編集部)

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