ドゥカティはドイツで開催されたインターモト・モーターサイクル・ショーにおいて、新型「ムルティストラーダV2」を発表した。今回のモデルでは新開発V2エンジンと新設計のアルミニウム製モノコック・フレームを採用したことなどにより、先代より18kgの軽量化に成功している。カラーはムルティストラーダV2に「ドゥカティ・レッド」、V2 Sに「ストーム・グリーン」「ドゥカティ・レッド」が用意される。いずれも2025年1月の販売開始予定としているが、国内への導入や価格など詳細については現在のところ情報はない。
・V型2気筒エンジン・ファンのために新開発されたミッドサイズ・クロスオーバー・モデルは、軽さ、ハンドリング、乗りやすさの新たなベンチマークを設定
・新しいドゥカティV2エンジンとアルミニウム製モノコック・フレームをベースに設計されたこのモデルは、先代モデルよりも18kg軽量
・ベンチマークとなるエレクトロニクスとドゥカティ・スカイフック・サスペンション、ミニマム・プリロード機能、2段階に高さを調節することが可能なシートにより、ムルティストラーダV2はすべてのライダーにとって最適な選択肢となる
ドゥカティは、ドゥカティ・ワールド・プレミア2025のエピソード8を公開すると同時に、ドイツのケルンで開幕したインターモト・モーターサイクル・ショーで、新型ムルティストラーダV2を発表しました。
このニューモデルは、V型2気筒エンジン・ファンのために新開発されたミッドサイズ・クロスオーバー・モデルで、大幅な軽量化を達成するとともに、ハンドリングと乗りやすさもさらに向上しています。新型ムルティストラーダV2は、路面が荒れたアスファルトでも安全で楽しい走りができるよう、先代モデルから19インチのフロント・ホイールを継承しながら、新しいV2エンジンを中心に完全に新開発され、さらに乗りやすくなると同時に、これまで以上に走る楽しさを追求しています。
モノコック・フレームと新しいドゥカティV2エンジンを中心とした開発プロジェクトにより、最大限の軽量化が達成された結果、このニューモデルは先代モデルより18kgも軽くなりました。装備重量(燃料を除く)は199kgで、このカテゴリーでもっとも軽量で、停止状態や低速時の取り回しが楽になり、荷物を満載した状態でも優れたハンドリングを実現しています。
軽量化に加え、可変バルブタイミング・システムを採用したことによる幅広い回転域での力強いパワー、ベンチマークとなるエレクトロニクス・パッケージ、エルゴノミクスとエアロダイナミクスに焦点を当てた結果、新型ムルティストラーダV2は、ライディングの楽しさ、燃費、パフォーマンス、ハンドリングを新たなレベルへと引き上げ、あらゆるライディングを忘れられない旅へと変えます。
新型ムルティストラーダV2のデザインは、水平基調のバランスのとれたボディ、軽快で短いテール、サイドパネルによって強調されたスポーティなラインを特徴とするフロントエリアなど、ムルティストラーダ・ファミリーの歴史を築いてきたスタイル・エレメントからインスピレーションを得ています。ショルダー、フロントマス、そして「ビーク」(くちばし)といった、ムルティストラーダの特徴的なデザインは、より調和のとれたものになっています。
すべてのドゥカティ・モデルと同様、ムルティストラーダV2もデザインと機能性を兼ね備えています。チェントロスティーレ・ドゥカティ(ドゥカティ・スタイルセンター)は、研究開発部門のエンジニアと緊密に協力してラインを定義し、熱的快適性と環境保護性能を向上させるためのデザインに、エアロダイナミクス・ソリューションを統合しました。
防風効果が高く、高さも調節可能なフロント・スクリーンの形状は、フロントラインに完璧に統合されたデフレクターも含め、エアロダイナミクスに関する緻密な研究を通じた結果として定義されました。
熱的快適性を向上させるため、ムルティストラーダV4と同様に、バイクのデザインに統合されたアップウォッシュと呼ばれるラテラル・エア・コンベヤーが導入され、ライダーの脚に外気を導入します。
最新世代のパニガーレとムルティストラーダV4からインスピレーションを得た新しいヘッドライトとデイタイム・ランニングライト(DRL)は、すぐに認識できるコンパクトでアグレッシブなフロントビューを演出しています。先代モデルよりも短い「ビーク」は、フロント・スクリーンに巧みに統合され、より調和のとれたイメージを生み出しています。薄く、サイドパネルのデザインと調和したサイド・インジケーターは、優れた視認性を提供し、インジケーターとフェアリングの間に隙間を作ることによって、ライダーに向かって外気が通過できるようにするために、完全に新設計されました。
また、リアのグラブハンドルが短くなったため、テール部分は非常にスリムで軽量になり、機能性とエルゴノミクスが高まっています。
ムルティストラーダV2のエルゴノミクスは、快適性に細心の注意を払って完全に見直されました。ライダーおよびパッセンジャー・シートは新設計され、リアのトップケースとサイドケースの取り付け方法を工夫することにより、先代モデルと比較して、足元および胴体スペースが増加しています。
新型ムルティストラーダV2には、高さ850mmと830mmの2つのポジションに調整可能なライダーシートが装備されています。さらに、ドゥカティ・パフォーマンス・カタログには、アクセサリーとしてハイシート(870mm)およびローシート(810mm)が用意されています。Sバージョンでは、ドゥカティ・スカイフック・セミアクティブ・サスペンション(DSS)およびミニマム・プリロード機能により、シートを790mmまで下げることができます。
新型ムルティストラーダV2には、コイルスプリング式バルブ駆動システムを採用し、可変インテーク・バルブ駆動システム(IVT)を備えた、890cc、90° V型2気筒の新しいドゥカティV2エンジンが搭載されています。この新しいエンジンは、非常にコンパクトかつ軽量(重量はわずか54.9kg)で、バイクの軽量化に大きく貢献しています。このエンジンは、最高出力115ps@10,750rpm、最大トルク92Nm@8,250rpmを発生します。
可変バルブ・タイミングにより、このV2エンジンは、パフォーマンス、パワー、燃費を最適化しています。このユニットは、高回転域では力強いパワーを、低中回転域では豊かなトルクを発生し、3,500rpm以上で最大トルクの70%以上を発生し、3,500~から11,000rpmの間では常に75%以上を発生します。
これに、低回転域でのより安定した燃焼が加わり、小さなスロットル開度でも非常に精度の高い作動が可能になり、さらにフライホイールが大きくなったことで、スロットル開度に対するレスポンスがスムーズになり、特にツーリングや市街地走行時の走る楽しさが向上しています。
ギア比はムルティストラーダ専用に設計されており、1速と2速をより低く設定することで、低速走行時のコントロール性とフルスロットル時の加速性能が向上しています。ギアボックスには、より正確なシフト・フィールとより速いギアチェンジを可能にする新しいドゥカティ・クイック・シフト2.0が搭載されています。
あらゆるライディング・シーンにおける快適性と走る楽しさを向上させるため、新型ムルティストラーダV2には、ムルティストラーダV4と同じ構造を採用し、完全に新設計されたフレーム、リア・サブフレーム、スイングアームが装備されています。フレームはエンジンを構造部材素として使用するアルミニウム製モノコックで、リア・サブフレームはスチール製トレリス、スイングアームはアルミニウム鋳造によるものです。
これらすべてを新しいV2エンジンを組み合わせることで、ムルティストラーダは大幅な軽量化を達成しました。V2バージョンの装備重量(燃料を除く)は、わずか199kg、セミアクティブ・サスペンションを装備したV2 Sバージョンでは202kgです。
完全な新設計とモノコック・フレームにより、ドゥカティのエンジニアは、足つき性に優れたスリムなバイクを生み出すことに成功しました。さらに、膝と内腿とバイク表面の接触面積が改善され、ライディングの楽しさと高速走行時のコントロール性が向上しました。新しいエルゴノミクスにより、新型ムルティストラーダV2ではハンドル操作に必要な労力が軽減され、コーナーへの進入時およびコーナリング中に、よりニュートラルな挙動が実現しています。
ムルティストラーダV2には、45mm径のマルゾッキ製フロント・フォークと、プログレッシブ・リンクを備えたザックス製リア・ショックアブソーバーが装備されています。どちらもフルアジャスタブル・タイプです。ムルティストラーダV2 Sは、電子制御式ドゥカティ・スカイフック・セミアクティブ・サスペンションを搭載し、ブレーキング時のダイブ(アンチダイブ)と加速時の「沈み込み」(アンチスクワット)を抑制する新しいエレクトロニクス・ストラテジーにより、快適性、安全性、パフォーマンス、ライディング精度がさらに向上しています。
さらに、ミニマム・プリロード機能により、ボタンを押すだけでリア・サスペンションを最小値まで下げることができるため、特に荷物を満載したり、パッセンジャーを乗せたりしている場合に、足つき性が向上します。新型ムルティストラーダV4と同様に、サスペンションモードはライディングモードとは独立して設定することが可能で、電子制御システムの設定およびエンジン特性を変更せずに、好みのサスペンション設定を選択することができます。
ムルティストラーダV2の両バージョンには、19インチのフロント・ホイールと17インチのリア・ホイール(サスペンション・ストロークは前後ともに170mm)、ピレリ製スコーピオン・トレール2タイヤが装備されており、優れた多用途性と乗り心地を提供します。ブレンボ製ブレーキシステムは、320mm径フロント・ダブルディスクと265mm径リア・シングルディスクを備えており、あらゆる状況で優れた制動力を発揮します。
新型ムルティストラーダV2は、電子制御システムのフル・パッケージが搭載されています。これらは、新設計されたハンドルバー・コントロールと新しい5インチTFTカラー・メーターパネルで操作することが可能です。このメーターパネルは、3つの異なるインフォモードに切り替えることが可能で、全面的に改良された多言語インターフェイスを備えています。
事前に設定されている5つのライディングモード(スポーツ、ツーリング、アーバン、エンデューロ、ウェット)と4つのパワーモードにより、エンジン出力とレスポンスを変更することが可能で、ムルティストラーダV2を、ライダーの好みや走行条件など、あらゆる状況に適応させることができます。
ライディングモードでは、コーナリングABS、ドゥカティ・トラクション・コントロール(DTC)、ドゥカティ・ウィリー・コントロール(DWC)、エンジン・ブレーキ・コントロール(EBC)が事前に定義されたレベルに設定されますが、ライダーが変更することも可能です。
3つのインフォモード(ロード、ロード・プロ、ラリー)を使用すると、メーターパネルの機能を最大限に活用し、表示される情報を変更して、あらゆる状況で最高のライディング体験を得ることができます。たとえば、ロード・プロは、現在のパワーおよびトルクの割合をリアルタイムで表示します。
ドゥカティ・ムルティストラーダV2には、クルーズコントロール、メーターパネルに統合されたUSBソケット、ドゥカティ・ブレーキ・ライトEVO(急ブレーキ時に後続車に警告する機能)が標準装備され、V2 Sには、オプションのターン・バイ・ターン・ナビゲーションの利用を可能にするドゥカティ・マルチメディア・システムも標準装備されています。さらに、新しいカミングホーム機能は、イグニッションをオフにしても一定の時間ロービームを点灯することにより、夜間の帰宅時に周囲を明るく照らします。
すべてのムルティストラーダ・ファミリーと同様、新しいV2も、ベンチマークとなるメンテナンス間隔(30,000km毎のバルブクリアランス点検)と「4EVER Ducati」およびロードサイド・アシスタンス・プログラムにより、最大限の安心感を持って走行できるように設計されています。「4EVER Ducati」は、4年間有効、走行距離無制限の保証を提供します※。
ロードサイド・アシスタンス・プログラム※では、保証期間中にトラブルが発生した場合に備えて、ロードサイド・アシスタンス、ライダーとパッセンジャーの移動手段、代替車両、4つ星ホテルでの宿泊が追加されます。これらすべては、世界90か国以上の800を超えるドゥカティ正規ディーラーネットワークによってサポートされるため、安心して旅を続けることが可能です。
幅広いアクセサリーにより、多様なニーズに合わせてムルティストラーダV2をカスタマイズすることができます。容量60リットルのプラスチック製トップケース、または容量76リットルのアルミニウム製トップケースが用意されています。フローティング・アタッチメントを採用したこれらのケースにより、走行安定性と安全性が向上します。スチール製プロテクション・バーは、転倒時の損傷を最小限に抑え、センタースタンドはバイクのメンテナンスと積載作業を容易にします。
冒険好きのライダーは、スポークホイールを装着することもできます。これにより、ムルティストラーダV2の多用途性が向上し、突然アスファルトが途切れても旅を続けることができます。エグゾーストを交換してムルティストラーダV2を強化したい人は、テルミニョーニ製のさまざまなシステムが用意されています。
新型ムルティストラーダV2には、標準バージョン(V2)と、DSSセミアクティブ・サスペンションを備えたV2 Sが用意されています。V2はドゥカティ・レッド・カラーで提供され、V2 Sはストーム・グリーンとドゥカティ・レッドから選択することが可能です。さらに、プラスチック製サイドケース、センタースタンド、グリップヒーターを備えたトラベル・パッケージも用意されています。ヨーロッパでは、A2ライセンスを所有するライダー向けに出力を35kWに抑えたバージョンも用意されています。新型ムルティストラーダV2は、2025年1月から販売が開始される予定です。
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■カラー
・ドゥカティ・レッド
・ストーム・グリーン
■主な標準装備
・ドゥカティV2エンジン、890cc
・最高出力 115ps@10,750rpm
・最大トルク 92 Nm@8,250rpm
・装備重量(燃料を除く)/202 kg
・アルミニウム製モノコック・フレーム
・19リットル・タンク
・サスペンションモードとミニマム・プリロード機能を備えたドゥカティ・スカイフック・サスペンション
・電子制御式マルゾッキ製フロント・フォーク、45mm径、サスペンション・ストローク 170mm
・電子制御式ザックス製リア・ショックアブソーバー、サスペンション・ストローク 170mm
・アルミニウム製ホイール、フロント19インチ、リア17インチ
・ブレンボ製ブレーキシステム、320mm径フロント・ダブルディスク、265mm径リア・ディスク
・ピレリ製スコーピオン・トレール2タイヤ
・6軸慣性測定ユニット(6D IMU)を備えた最新世代のエレクトロニクス・パッケージ:コーナリングABS、ドゥカティ・トラクション・コントロール(DTC)、ドゥカティ・ウィリー・コントロール(DWC)、ドゥカティ・クイック・シフト(DQS)2.0、エンジン・ブレーキ・コントロール(EBC)
・インフォモードと新設計されたハンドルバー・コントロールを備えた新しい5インチフルTFTメーターパネル
・ライディングモード(スポーツ、ツーリング、アーバン、エンデューロ、ウェット)
・パワーモード(ハイ、ミディアム、ロー、オフロード)
・DRLとカミングホーム機能を備えたフルLEDヘッドライト
・ドゥカティ・ブレーキ・ライトEVO
・ドゥカティ・マルチメディア・システム
・クルーズコントロール
・メーターパネルのUSBソケット
■カラー/ドゥカティ・レッド
■ムルティストラーダV2 S専用装備を除く標準仕様の違い
・装備重量(燃料を除く)/199 kg
・手動調整式マルゾッキ製 45mm径フロント・フォーク、サスペンション・ストローク 170mm
・手動調整式ザックス製リア・ショックアブソーバー、サスペンション・ストローク 170mm
ドゥカティジャパン株式会社(2024年12月6日発行)
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