ダカール・ラリー2019はKTMのトビー・プライスが総合優勝。KTMはダカール18連覇達成!

掲載日: 2019年01月18日(金) 更新日: 2019年01月18日(金)
この記事は2019年1月18日当時の情報に基づいて制作されています。


<Photo/Red Bull>優勝したKTMのトビー・プライス(左)と2位のマティアス・ウォークナー(右)。

2019年1月7日にペルーのリマでスタートした「ダカール・ラリー2019」は、1月17日に最終ステージを終え、Red Bull KTM Rally Factory Teamのトビー・プライスが二輪部門総合優勝を獲得した。トビー・プライスのダカール制覇は2016年以来、2度目。また、KTMは今回の優勝によりダカール・ラリー18連覇という快挙を成し遂げた。

絶対王者KTMと悲願のダカール制覇を狙うホンダの熾烈な争いが予想されていた今年のダカールラリー。しかし序盤のステージ3でホンダのエース、ホアン・バレダが早々と脱落。さらに終盤のステージ8では総合トップを快走していたホンダのリッキー・ブラベックがエンジントラブルでリタイアしてしまう。そんな中、サム・サンダーランド、マティアス・ウォークナー、トビー・プライスと歴代ダカールウィナーを揃えるKTMは大きなトラブルもなくステージを進み、結果的には1位から3位まで表彰台を独占するという圧倒的な強さを見せつけた。


<Photo/Red Bull>2016年以来、自身2度目のダカール制覇を果たしたトビー・プライス。ラリー終盤のステージ9、ステージ10で優勝。


<Photo/KTM AG>右手首を負傷していたプライス。「乗るたびに悪くなっている」とラリー中盤でも不安を見せていたものの、見事10日間のステージを走り抜いてKTMに18連覇をもたらした。


<Photo/Red Bull>ダカール・ラリー2018を制し、ディフェンディング・チャンピオンとして臨んだKTMのマティアス・ウォークナーは総合2位。今年はステージ2とステージ8で優勝。


<Photo/Red Bull>ダカール・ラリー2017の覇者、KTMのサム・サンダーランド。昨年は中盤でリタイアしてしまったが、今年はステージ5とステージ7で優勝するなど、着実にレースを進めて総合3位を獲得。


<Photo/Husqvarna Motorcycles>序盤から終盤まで安定した走りで常に上位にランクインしていたハスクバーナのパブロ・クインタニラ。ステージ9終了時点でトップのトビー・プライスとのタイム差はわずか1分だった。しかし最終ステージ10の砂漠でジャンプに失敗して足を負傷。そこで20分近くタイムロスしてしまい、表彰台を逃してしまう。結果、総合4位に。


<Photo/Husqvarna Motorcycles>ジャンプでの着地失敗後、しばらく動くことができなかったクインタニラ。ゴール後もスタッフに支えられながら歩くのがやっとの状態だった。


<Photo/Husqvarna Motorcycles>ハスクバーナのアンドリュー・ショートは、AMAモトクロスからラリーへ転身した異色のライダー。クインタニラのチームメイトとして序盤から安定したリザルトを残し、総合5位を獲得した。


<Photo/YAMAHA RACING>ヤマハ勢トップはザビエル・デ・ソルトレート。序盤はステージ3で優勝するなどKTM&ホンダ勢に食い込む走りも見せた。総合7位獲得。


<Photo/YAMAHA RACING>ヤマハのエースとして序盤から良い走りを見せていたエイドリアン・ヴァン・ベヴェレン。ステージ8終了時点で総合4位につけ、表彰台獲得も見えていたが、ステージ9でエンジントラブルによりリタイアしてしまった。


<Photo/Honda>ホンダ勢トップは総合7位のホセ・イグナシオ・コルネホ。チームメイトが次々と脱落するなかで意地を見せた。


<Photo/Honda>エースライダーのホアン・バレダがリタイアしたあと、チームを引っ張ったリッキー・ブラベック。ステージ4、ステージ5、ステージ7で総合トップに立ち総合優勝獲得に向けて勢いを見せていたが、ステージ8でエンジントラブルのためリタイア。その時点でホンダのタイトル獲得の可能性は消えてしまった。今年のホンダは5名体制でダカールへ臨んでいたが、最終的には3名がリタイア。ファクトリーチーム全員が完走したKTMとは対照的に非常に厳しい結果となってしまった。


<Photo/KTM AG>総合8位はKTMのルチアーノ・ベナバイズ。ステージ優勝こそなかったものの、ファクトリーチームの一員として役割をしっかり果たした。


<Photo/KTM AG>中盤以降徐々にポジションを上げていた女性ラリーストのライアサンツ。屈強な男性ライダーに交じって総合11位獲得。


<Photo/Red Bull>今年も女性ライダーとして最上位に入ったライア・サンツ。


<Photo/Red Bull>今年のKTMはファクトリーチームとして4名でダカールへ挑んだ。結果的には一人の脱落者も出さず全員がトップ10フィニッシュ、しかも表彰台を独占してダカール18連覇も果たすという近年稀に見る好成績を収めた。この無敵艦隊の牙城を崩すチームは今後現れるのだろうか?

 

ダカール・ラリー2019 二輪総合順位
1位 トビー・プライス/Red Bull KTM Rally Factory Team
2位 マティアス・ウォークナー/Red Bull KTM Rally Factory Team +9’13
3位 サム・サンダーランド/Red Bull KTM Rally Factory Team +13’34
4位 パブロ・クインタニラ/Rockstar Energy Husqvarna Factory Racing +20’46
5位 アンドリュー・ショート/Rockstar Energy Husqvarna Factory Racing +44’10
6位 ザビエル・デ・ソルトレート/Yamalube YAMAHA Official Rally Team +54’00
7位 ホセ・イグナシオ・コルネホ/Monster Energy Honda Team +1:08’06
8位 ルチアーノ・ベナバイズ/Red Bull KTM Rally Factory Team +1:09’10
9位 メナ・オリオール/Hero Motorcports Team Rally +2:08’41
10位 ノシリア・ダニエル/Honda Argentina – MEC Team +2:31’53

 

なお、ダカール・ラリー2019の四輪部門はトヨタGAZOOレーシングSAのナッサー・アルアッティーヤ(トヨタ・ハイラックス)が総合優勝を果たした。トヨタにとってはダカール初制覇となった。


<Photo/Red Bull>

情報元=Dakar Rally
Text/RyoTsuchiyama

(バイクブロス・マガジンズ編集部)

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