【SBK】カワサキのJ・レイが通算60勝達成! フォガティの歴代最多勝利記録を抜く

掲載日: 2018年06月10日(日) 更新日: 2018年06月10日(日)
この記事は2018年6月10日当時の情報に基づいて制作されています。

2018年6月9日にチェコのブルノサーキットで開催されたSBK(世界スーパーバイク選手権)第7戦レース1でカワサキのジョナサン・レイ(Jonathan Rea)が優勝した。この勝利でレイのSBK通算勝利数は60となり、1999年にカール・フォガティ(Carl Fogarty)が樹立した通算59勝の記録を抜き、歴代トップとなった。


<写真>予選スーパーポールで2位につけ、レイはフロントローを獲得。Photo/SBK.com

SBKの歴史に燦然と輝く大記録が誕生したこの日、レースは波乱ぶくみの幕開けだった。ポールポジションはカワサキのトム・サイクス(Tom Sykes)、レイは2番グリッド、3番手はドゥカティのマルコ・メランドリ(Marco Melandri)。全18周のレース1でホールショットを奪ったのはレイで、以下サイクス、ヤマハのアレックス・ロウズ(Alex Lowes)、メランドリが続く。

カワサキが1・2体制を築いてレースが進行した3周目、後方で発生した相次ぐクラッシュによりレース1は赤旗中断に。約20分の中断後、レースが再スタート……のはずが複数の選手がフライング。主催者からは機材トラブルが発表され、再スタートがさらに10分ほど延期に。赤旗中断から約40分後、全16周に短縮されたレース1がようやくスタートした。


<写真>復調の兆しを見せるレイのチームメイト、サイクス。Photo/SBK.com

ホールショットを奪ったのはサイクス。しかし、2コーナーでレイがトップを奪取すると、2周目にして後続のサイクス、メランドリらに約1.5秒差をつけ、3周目にはほぼ独走体制を築く。その後の展開はSBK現チャンピオンらしい横綱相撲だった。4周目にメランドリが2位に浮上してレイの追撃に入るが、時すでに遅し。結局、レイは再スタート後の1周目から一度もトップの座を明け渡すことなくチェッカーを受けて、前人未到のSBK通算60勝目を手にした。


<写真>2009年ミサノでの初勝利から足掛け10年、通算60勝目の大記録を打ち立てたレイ。歓喜のウィリーでチェッカーを受けた。Photo/SBK.com

2位にはメランドリ、3位にはサイクスが入った。前戦のドニントンパークで2勝をあげたヤマハのマイケル・ファンデルマーク(Michael Van Der Mark)は、チームメイトのロウズとの激しいバトルを制して4位、ロウズは5位でフィニッシュした。ポイントランキングで2位につけるドゥカティのチャズ・デイビス(Chaz Davies)は8位に沈んだ。


<写真>SBKの歴史に燦然と輝く大記録を打ち立てたレイ。表彰式ではカワサキのスタッフにレイとサイクスがシャンパンを浴びせるひと幕も。Photo/SBK.com

2018年シーズンは全13戦で争われるSBK。シーズン折り返しとなる第7戦レース1終了時点でのポイントランキングTOP5は以下の通り。

1位:ジョナサン・レイ(カワサキ)270pt
2位:チャズ・デイビス(ドゥカティ)189pt
3位:トム・サイクス(カワサキ)179pt
4位:マイケル・ファンデルマーク(ヤマハ)176pt
5位:マルコ・メランドリ(ドゥカティ)156pt

ポイントリーダーのレイを追うデイビスは前回の第6戦ドニントンパークから調子が上がらず、3レース連続で表彰台を逃してしまった。2気筒パニガーレ最後のシーズンに悲願のタイトルを狙うデイビスだが、開幕からここまで一切のほころびを見せない現チャンピオンを逆転するには厳しい状況に入りつつあると言わざるを得ない。


<写真>2017年ミラノショー・SBKブースでのトークショーに登場したレイ。2018年は鈴鹿8耐への参戦が決まったことも話題だが、このところネットではMotoGP行きのウワサも絶えず、その一挙手一投足に注目が集まっている。Photo/BikeBros


<ジョナサン・レイSBK60勝までのあゆみ>
ジョナサン・レイ(Jonathan Rea):1987年2月2日生まれ(現31歳)
出身:北アイルランド・バリーニュア

1997 – ブリティッシュ・モトクロス60ccクラスチャンピオン
2003 – ロードレースへ転向。ブリティッシュ125GP選手権参戦
2004 – ブリティッシュ・スーパースポーツ選手権参戦
2007 – ブリティッシュ・スーパーバイク選手権年間ランキング2位
2008 – 世界スーパースポーツ選手権参戦開始&SBKワイルドカード参戦
2009 – ハンスプリー・テンケイト・ホンダからSBKフル参戦。ミサノのレース2で初勝利
2012 – ドニントンパークのレース2で通算10勝目
2015 – Kawasaki Racing Teamへ移籍。移籍初年度でSBKチャンピオンに
2015 – アッセンのレース1で20勝目
2015 – ポルティマオのレース2で25勝目
2016 – 開幕戦フィリップアイランドで30勝目
2016 – カール・フォガティ以来となる2年連続SBKチャンピオンに
2017 – 開幕戦フィリップアイランドのレース2で40勝目
2017 – マニクールのレース1で50勝目。SBK史上初の3年連続チャンピオンに
2018 – イモラのレース1・2で勝利して通算59勝に。カール・フォガティの記録に並ぶ
2018 – ブルノのレース1で通算60勝目を挙げ、SBK史上最多優勝記録を達成

名実ともにSBK史上最高のライダーとなったレイ。SBK4連覇の日も近い。

 

情報元=SBK.com
Text/RyoTsuchiyama

(バイクブロス・マガジンズ編集部)

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