BMWが新型Fシリーズのスポーツコンセプト「9cento(ノーヴェ・チェント=900)」を発表! それってつまり・・・

掲載日: 2018年05月26日(土) 更新日: 2018年05月26日(土)
この記事は2018年5月26日当時の情報に基づいて制作されています。

!?こ、これは一体!?

日本時間2018年5月26日未明にBMWモトラッドがコンセプトモデル「Concept 9cento」を発表しました!

えーっと、まず読み方がわかりませんね(笑)。プレスリリースによると「9cento」はイタリア語で[nove cento]と発音するとのこと。[nove]はイタリア語で「数字の9」を意味し、[cento]は同じくイタリア語で「数字の100」を意味します。つまり「900(キュウヒャク)」ってことです。日本語で読むと「ノーヴェチェント」って感じでしょうかね。

とりあえず名前の話はこれくらいにして、バイクの詳細を見て行きましょう。

うぉーむちゃくちゃスポーティ! S1000XRとR1200RSをミックスしたようなスタイリングですね。デザインを担当したBMWモトラッドのデザインチームのボス、エドガー・ハインリッヒ氏曰く、

「スポーツ、アドベンチャー、ツーリング、そのすべての楽しさを詰め込んだパッケージだよ。適度なパワーとスポーツ性、求めたのは大きさではなくバランス。今までのBMWにはない、ミドルクラス・オールラウンダーの新解釈だ」

と。なるほどね。となると気になるのはエンジン。

BMWの最新情報を追いかけている方ならすでに察しがついてると思いますが、エンジンは2018年に発売予定のF750GS/F850GSに搭載される並列2気筒エンジンです。9centoはコンセプトモデルのため、いまのところエンジンの詳細などは一切出てませんが。
↑の写真を見ると、スイングアームはF750GS/F850GSと同じですね。ってことはフレームも????

製作過程の写真も公開されてました。エンジンは見ての通り新型Fシリーズのもの。この特徴的なブリッジフレームとスイングアームはまさにF750GS/F850GSシリーズのそれ。リアサスのレイアウトも同じ。シートレールは新規で製作してますね。もしかするとスイングアームピボットも新規モノかもしれません。よく見えないけど。

エンジンと足まわりを拡大。エンジンは見ての通り新型Fシリーズのもの。Concept 9centoのフロントフォークは最近のBMWコンセプト車では定番のオーリンズ。現車はFGRT300によく似たモノがついてますね。


F850GSのフレーム構成がこちら。見比べてみても、Concept 9centoのブリッジフレームとスイングアームはこれと同じですね。ではここからは外装を見ていきましょうか。


フロントカウルのイメージはR1200RSやS1000XR、S1000RRをミックスしたような感じ。前述したエドガー・ハインリッヒ氏の言葉を思い出すと、それもしっくり来ます。

タンクカバーはなんだか凝った造形のパーツが。見ての通りアルミ削り出しです。軽量で俊敏な走りを楽しめるモデルだそうですから、各部にはアルミを多用するほか、CFRPも使われているとのこと。

カウルは結構なアッパーマウントのようですね。テールセクションはむちゃくちゃ短い。前後サスともスプリングトラベルは長め。

あれ!?テールになんか付いてる。

このシート両脇の小ぶりな物体は何なのでしょう? 普通に考えるとパニアケース?
ほら、9centoのコンセプトにしっかり「ツーリング」って言葉が入ってたじゃないですか。一見どこから開けるのかもわかりませんし、容量もパニアにしては小さい。で、しっかりプレスリリースを読んでみると「これは革新的なケースシステムである」との一文が。

つまり正解はパニアケース。そしてこのパニアには付加機能がもうひとつ。これを取り付けることでシート座面が広くなってますよね。そう、これはパッセンジャーのためのパニアケースでもあるのです。BMWが「クリップ・オン」と書いていたこのシステムは荷室だけでなく、パッセンジャーのシートとしても機能し、必要に応じて取り外せるというもの。

削り出しのステップベースプレートにタンデムステップがついてます。デザイン優先のスポーツコンセプトならわざわざアルミ削り出しでこんなもの作らないで、潔く1人乗り仕様で作りますよね。パッセンジャーの存在も重視したコンセプトモデルってことです。あ、リアフェンダーは垂直尾翼的な整流板がついてるのも面白いですね。

違う角度から。後付けのパニアケースは、パッセンジャーの足にフィットするような形状をしています。実際に人が乗るとどうなるのか見てみたい。

真後ろから。シートベース部もアルミ削り出し。左右のパニアはシート下で連結されています。それにしてもすごいデザインですね(笑)。さすがコンセプトモデル。ちなみに今回発表されたコンセプトモデル「Concept 9cento」は、毎年5月にBMWグループが主催する世界的な自動車コンクールデレガンス「Concorso d’Eleganza Villa d’Este(=コンコルソ・ディレガンツァ・ヴィラ・デステと読む。舌かみそう)」に出品されるとのこと。

ここまで読んで、どうせコンセプトモデルだろ?と思った方、甘いです。

ここ数年のBMWはヴィラ・デステに出品した車両はもれなく市販化してるんですよ! 2013年に出品されたConcept Ninety(コンセプト・ナインティ)はR nineTに、2014年に出品されたConcept RoadsterはR1200Rに、2015年に出品されたConcept101はK1600Bに、という風にヴィラ・デステへ出品されたコンセプトモデルは1年ないし2年くらいで市場に投入されてます。

ってことはこの「9cento」の市販版は何なのか?
現段階でGSモデルのF850GSとF750GSしか発表されていない「新型Fシリーズのロードスポーツモデル」と考えるのが普通でしょうね。

9cento:ノーヴェ・チェント(=900)って謳うくらいですから「F900ナンチャラ」となるのかな?

Fシリーズのエンジンは853ccですが、車名と排気量の乖離(かいり)については、BMWではよくあることなのでそこに突っ込んではいけません(笑)。

F900RSか、F900XRか、それとも先祖返り(?)のF900Sか。

しばらくアレコレと勝手に予想してワクワクするのも楽しいですね。このモデルの市販車発表速報をいつかお届けできることを期待して今日はこの辺で。

ではまたー!

Text=RyoT
情報元=BMW Motorrad

あ、新型F850GS/F750GSについて知りたい方はこちらをどーぞ。

【海外試乗速報】BMW Motorrad F850GS

【海外試乗速報】BMW Motorrad F750GS

 

 

(バイクブロス・マガジンズ編集部)

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