「F.C.C. TSR Honda」来シーズンFIM世界耐久選手権フル参戦に挑む

掲載日: 2016年09月06日(火) 更新日: 2016年09月06日(火)
この記事は2016年9月6日当時の情報に基づいて制作されています。
取材・文=バイクブロス・マガジンズ編集部
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ホンダは、鈴鹿8耐で過去3回の優勝を経験している国内屈指のレーシングチーム「F.C.C. TSR Honda」の2016-2017 FIM世界耐久選手権シリーズ(EWC)に向けての参戦体制及び2016年(今シーズン)の活動報告のメディアカンファレンスを、東京・HONDAウエルカムプラザ青山で実施した。

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2016FIM世界耐久選手権を経て来シーズンへ向けた決意

藤井正和監督率いる同チームは、今シーズンFIM開幕戦であるル・マン24耐で3位を獲得し、続く第2戦ポルトガル12耐では12位、鈴鹿で行われた第3戦8耐では序盤の転倒に見舞われながらも盛り返し18位となった。「2016、今年は全部テストだ!」という気持ちで臨んだという1年を振り返り、藤井正和氏(F.C.C. TSR Honda総監督)と山本雅史氏(本田技研工業株式会社モータースポーツ部部長)と上松美紀夫氏(ユーロスポーツイベントEWCプレスオフィサー)が来シーズンへの心境と抱負を語った。

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藤井正和氏(F.C.C. TSR Honda総監督)

藤井監督は第1戦ルマン24耐での3位という結果を受け、これは行けるんじゃないか、やれるとこまでやってみればいいんじゃないか、とスポット参戦から急遽フル参戦へと踏み切ったという。ルマンが教えてくれたという「もっと挑戦するべきだ!」という思い。来年の最終戦は鈴鹿8耐であり、そこで我々が出て、我々が自国のレースで勝ちに行く。チーム日本を目指している。日本のモノづくりや技術と融合しながらやっていきたい、と熱く語った。

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山本雅史氏(本田技研工業株式会社モータースポーツ部部長)

「このままじゃ終われない」2016年鈴鹿8耐でホンダは惨敗し、28年ぶりに表彰を逃した。この逆風をバネにさらなる飛翔をめざすことで藤井氏と意気投合した山本氏は、シリーズを確実に戦っていけるようにと協力することを決め、「来年はぜひ鈴鹿8耐でホンダのマシンで勝って欲しい」という強い思いをチームに託した。ライバル車両の急成長が著しいなかで、それでも結果を出してきた今シーズン。来年の鈴鹿8耐にはニューモデルでの走りが見れると答えてくれた。

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上松美紀夫氏(ユーロスポーツイベントEWCプレスオフィサー)

「TSRはEWCへの日本チーム参戦要望に応えてくれた最初の日本のチームで、永遠にそれは変わらない。そしてTSRは、ルマン24耐で3位を獲得するなど、日本のチームの実力を世界に示してくれた」と語る上松氏。日本チームの参戦によって世界のレースシーンに日本の存在を、そして日本チームの活躍を知ることで日本でのEWCやレースへの興味が生まれるかもしれない。チームの活躍が、そんなパイプライン的な役割を担ってくれることにも上松氏は期待を寄せていた。

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最後の質疑応答では、ポイントの高い24耐レースの難しさを問われ、「例えばルマン24耐では、暑い晴天であると思えば雹が降り、夜には1度になるなど、1年の四季が24時間という1日の中にすべてある。そしてその状況でタフに走り続けなければならない。我々自身が進化しなければならない」と藤井監督は語った。

また、2016年9月17・18日に行われるボルドール24耐では3人めの参戦ライダーが決まっていなかったが、監督より「さっき決まった」と急遽発表されたのは、2005年・2006年に全日本のJSB1000クラスで2年連続でチャンピオンを獲得した伊藤真一選手だった。

培ってきた経験、戦ってきた1年を通し、さらに力強い味方を得て臨む2016-2017 FIM世界耐久選手権シリーズ。「EWCならばトップを獲れるぞ!」という強い思いで走り続けていくチームの来年の鈴鹿は熱いに違いない。

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(バイクブロス・マガジンズ編集部)

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