眺めるだけでも愉しめるヴィンテージ・トライアンフのディープな世界

掲載日: 2009年09月07日(月) 更新日: 2013年12月12日(木)
この記事は2009年9月7日当時の情報に基づいて制作されています。

執筆= リンドバーグ

スリムな車体にはじけるような感触のエンジン。歴史と伝統を誇るバイクメーカーは数多く存在しますが、実際に乗って楽しむことができるヴィンテージバイクとして、トライアンフというブランドの人気は不動と言えるでしょう。そのラインナップのかなでも、1960年代前半までのエンジンとミッションが別体となっている通称「別体式エンジン」搭載車は、その趣味性の高さや深い味わいがマニアから評価され、特に高い人気を誇っています。

今回ご紹介する「Triumph Motorcycle Restoration Pre-Unit」は、その代表的なモデルのひとつである1956年式トライアンフ「TR6」を素材として、そのレストア手順を詳細に解説したマニア垂涎の一冊。外装、エンジンの分解/組み立てはもちろん、キャブレター、車体まわりのオーバーホールなどをわかりやすく紹介しています。また、巻末には1959年に誕生したファースト・ボンネの組み立て方や、ヴィンテージ・トライアンフのバイヤーズガイドとしても役立つ資料を満載。車輌を所有していなくとも、ヴィンテージバイクファンなら眺めているだけでワクワクしてくる内容となっています。

 

【見どころ・読みどころ】
エドワード・ターナーが開発したトライアンフの基本的なエンジンの設計は、その優秀性からほとんど手が加えらることなく役目を終えました。そして、シンプルかつ機能的な造形は半世紀以上経った今でも、世界中のモーターサイクルファンを魅了して止みません。

それでも誕生から50年以上経過した車体にはガタが出ている場合が多く、不安なく全開走行を楽しめる車両は多くはありません。本書では、そんな不安の残るヴィンテージの中でも特に人気の高い別体式エンジン搭載車を教材に、レストアの一部始終を丁寧に解説してくれます。特徴として、1ページにつき4~6点のカラー写真(合計で500点以上)と簡潔な説明により、英語を完全に理解していなくとも視覚的に誰でも理解出来るように構成されています。作者は、ヴィンテージ・トライアンフを観賞用の置物として捉えるのではなく、縦横無尽に大地を走り回る本来の”トラ”に戻すべく手取り足取り詳しく指導してくれるでしょう。

【DATA】
■タイトル /Triumph Motorcycle Restoration Pre-Unit
■価格/3,990(税込)
■作者/Garry Chitwood & Timothy Remus
■出版元/Wolfgang Publications,Inc
■発売日/2009年8月15日
■装丁/ソフトカバー
■ページ数/144ページ
■言語/英語
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(バイクブロス・マガジンズ編集部)

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